氷上で煌めく太陽１１

４９９話 ページ8

鳥肌が立った。


最高の演技が出来たとは思ったけど、ソチで出したフリーのPBを超えられるなんて。

エレメンツも演技構成点も過去最高のスコアだった。

GOEもすべてが高評価で、これ以上の成績がこの先出せるのかな？なんてちょっとビビったけど。


ゆづくん効果かな？
なんて(笑)


今までもスケートは楽しくできていたけど、今日はすごく心が満たされて幸せな気持ちでいっぱいで。


前にハビが言っていたとおり、恋は人を強くするって、こういうことなのかな？って思った。



目標だった表彰台の一番高いところに、約束通りあがることができた。


リーザ｢今回は完敗だわ。でも次は負けないからね｣

｢リーザがいるから、私も負けたくなくてここまで頑張れたの……ありがとう｣


表彰台で、リーザとハグをして健闘を称え合う。
するとリーザが、意味深な笑みで私に耳打ちをする。


リーザ｢幸せそうで何よりだわ。ユヅルと仲良くね｣

｢うん！……は！？｣


思わず頷いちゃったけど、なんでリーザが知ってるの！？
驚いて何も言えないでいると、リーザはフフッと笑う。


リーザ｢ちょっとカマかけただけなのに(笑)分かりやすいのね、Aって｣

｢リーザ……！｣


愛の力は偉大ね、と最後までからかわれながら表彰式を終えた。




試合後の会見やインタビューを終えて時計を見ると、男子の試合が始まるまであと１時間となっていた。


ブライアン｢A、私は男子の試合があるからもう行くよ。ハビとユヅルに会っていくかい？｣

｢ううん。二人とも集中してるだろうから、試合が終わってからにする｣



本当はすごく会いたい。
直接会って、優勝したことを伝えたい。

ハビのあの弾けるような笑顔が見たい。


そしてなにより、ゆづくんに｢頑張ったね｣って褒めて欲しい。
ギュッてハグして欲しい。


そんな衝動をぐっと堪えて、二人のもとに向かうブライアンを送り出した。

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