29 上官と部下�� ページ19
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ゴゴゴオォ…
開門の音と共に初めての壁外調査が始まった。
当時、長距離索敵陣形がまだ発案はされていなくて、縦長の列で移動しており、新兵である私は第三分隊の後方に配置されていた。
開門前まで期待と活気に溢れていた新兵達の瞳は、壁外に出て一瞬で失われる。
第三分隊側は後方まで巨人の侵入を許し、半壊状態だった。
「もう、駄目だ…私達も死ぬんだ。
どうして優秀な先輩方じゃなくて、私が死 ねばよかったんだ。」
班長と半の先輩兵士を失い、同期と二人で馬を走らせていた。
「そんなこと言っちゃだめ。班長達の分も私達が生きて戦うんだ。
早く隊列に合流しよう。」
身体を震わせ、真っ青な同期を鼓舞しながら速度を上げる。
私だって、震えていた。
初めての壁外で、自分がとこにいるかも分からない。初めて遭遇した巨体に、無惨に散る仲間たち…
非現実的な事が一気に起こりすぎて、頭がどうにかなってしまいそうだった。
そんな時、「ひッ」という同期の声にならない叫びにはっとすると、前から二体の巨人が迫っていた。
右に13m級、左に7m級…
「私が右に行く！
から、左をお願い！！」
「ちょっちょっと待ってよッ！！」
「動きを封じるだけで良いから！」
振り返ることなく、13m級の項を目掛けてガスを吹かす。運良く、巨人の視線がこちらをではなく、同期の方を向いていたため、一発で仕留めることができた。
同期の方に目をやると片足首を削いで、動きを封じたものの、倒れた巨人に自らの足首を掴まれていた。
その大きな手を目掛けてアンカーを発射し、最大にガスを吹かせる。
が、たどり着く前に、物凄い衝撃と共に体が打ち付けられた。
突然のことに何が起きたのか分からないまま、勢いが殺せず、何度か地面に身体を打ち付けた。
後からやってきた激しい痛みと共に吐血する。
霞む視界の先に見えたのは、二体の巨人に持たれる同期。
そこでやっと、どこからか現れた別の巨人に自分の体が叩かれたのだということに気がつく。
まるで玩具を取り合うかのように同期をめぐって争う二体の巨人。
それからの光景は信じ難いものだった。
少し離れた自分の元まで飛んでくる赤…
どちらも奇行種だったのか…？事を終えて満足した奴らは私に見向きもしないでその場を去っていく。
そこに残ったのは、同期だったはずの
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作者名：earthn | 作成日時：2022年3月24日 19時
