弐 ページ3
恵side
─校舎にて─
《夜の帳もおりた頃、辺りを騒然とさせる程の轟音が鳴り響く》
《特級呪物─両面宿儺の指を狙った呪霊が喰らいつく》
《その場面を制するかの如く、一人の少年─虎杖悠二は宿儺の指をあろう事か飲み込んだ》
《そうして宿儺と共体となった虎杖。》
虎杖は今や特級呪物を取り込んだ身…
何時爆発してもおかしくない…！
虎「伏黒…これ結構ヤバいやつ…？」
ヤバいで済む訳ないだろ！
こんな時にあの人は何やって─…
五「よっ、と」
恵「…ｯ！五条先生！」
五「ごめんね〜、待った？」
『黒…！』
五条先生の隣にはAが─…って、は？
恵「なんでAが…！」
五「連れてきちゃった♡」
恵「そんな軽いノリで言わないでください」
『五条さん、黒怪我してる』
五「いやぁ〜、ボロボロだねぇ〜。二年の皆に見せよっと。ほらほら、こっち向いて！」［ﾊﾟｼｬﾊﾟｼｬ］
何でこの人何時もこんなKYなんだ…！
五「それで？特級呪物は？見つかった？」
…
《沈黙する空間を切るように虎杖が口を開く》
虎「─…ごめんそれ、俺食べちゃった」
五「え」
『！』
《五条は間の抜けた声を出す》
五「マジ？」
伏/虎「マジ」
五「ん〜？」
《五条は虎杖に近づきまじまじと見詰める》
虎「、…」
五「ははっ、こりゃ大マジだ…！」
五「宿儺とは代われる？」
虎「あ〜…多分…？」
五「じゃあ、10秒。10秒だ。10経ったら君に戻ってきて。」
虎「え、それって─」
五「大丈夫、僕最強だから」
五「恵、これ持ってて」
《五条は伏黒に紙袋を投げやった。咄嗟に伏黒もそれを受け取る》
なんだ、これ…紙袋…？
恵「これ…」
五「喜久水庵喜久福。仙台名物、中の餡が超絶品なの！僕のオススメはずんだ生クリーム味！」
この人土産買ってきやがった、人が死にそうな時に…！
五「土産じゃない。」
『食べる用』
五「そうそう、帰りの新幹線で食べるんだぁ…─
《そう悠長な会話をしていたも束の間、五条の頭上からふっと黒い影が舞い降りる》
恵「ｯ…！」
《宿儺に移り変わった虎杖の身体が宙を左に右にと舞う》
《白蓮は伏黒に寄り添いつつ、手当をする》
五条先生も五条先生だけど、コイツもコイツだ
『黒、血。』
伏「なんでもねぇよこれくらい…」
俺の血を自分の袖で拭いながら少しAは眉を寄せた
恵「それより虎杖が─……ｯ！五条先生、後ろ！！」
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作者名：黒凛蝶 | 作成日時：2020年11月22日 0時
