しあわせな物語【七つの大罪】弐

言っとる場合か！ ページ25

大喧嘩祭り。


メリオダスとバンの2人組は、くだらない口論をしながらなんなく勝利をおさめることが出来た。


中々のやり手だな……とぼーっと眺めるAに、未だにAの腕にしがみつくハルオ。


そして………


「ゴウセル…！てめぇにゃエスカノールの心がわかんねーのかよ！？」


「エスカノールの心…？俺に腹を立てていたのは間違いないな」


ゴウセルとエスカノールが戦い、傷つき倒れているエスカノール。


ゴウセルは、以前にもディアンヌとギーラの心や記憶軽々しく操作し許されない事をしたが。


彼はまた、エスカノールの記憶を好きに操った。


それに怒りを表したエスカノールはその体を膨張させ巨大な魔力を放ったのだが、何故か倒れているのはゴウセルではなくエスカノール。


「ゴウセル、あれを見ても同じことが言えんのか？エスカノールがお前に対して示した〈心〉だ！！！」


怒りに声を荒げるジェリコが指差す方へ、Aとハルオも視線を向ける。


戦いで巻き起こった煙の中から現れたのは、血だらけになって倒れている十戒の2人だった。


「ザマアミロ！！バァーカッ！！！」


「Aちゃんやめなよ！目をつけられるで！」


煽りに煽りまくるAをハルオが宥める。


「ぬかった…あの男の強大な魔力に気を取られすぎた…！！攻撃の矛先がよもや我らに向いていたとは…」


十戒の二人も油断しきっていたらしい………まぁそうだろう。


これだけのダメージを食らって尚、“油断していなかった”は嘘になるだろうから。


そして、彼らに攻撃を加えてしまった以上もう喧嘩祭りどころではなくなるだろう。


「あーあ、喧嘩したかったな」


「言っとる場合か！」


この時ばかりはハルオもAの肩を揺さぶった。

26→←しがみつく運命(笑)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す