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翌朝は、重湯がスタートした。
おかゆよりもどろどろのやつと、みそ汁の上澄みみたいなの。
大貴が帰ってから、ガス抜きが出来たから、昨晩は早速、大貴が買ってきてくれたお水を、ストローで飲んだ。
久しぶりに口にする水分・・・
めちゃくちゃ美味しくて、生き返った。
腸が動いてるか看護師さんが聴診器で聞いてくれて、OKが出たんだよね。
案の定、11時ぴったりに現れて、ペットボトルの水が減ってる事に気がついたみたい。
有岡「おめでと！良かったな」
A「うん」
自分の事のように喜んでくれて、恥かしいけど嬉しい。
尿の管を抜かれて、ホッとしたのも束の間・・・
トイレに自分で行かないといけなくなった。
看護師さんの補助があり、ゆっくりと床に足をついた。
それだけでお腹の傷が痛くて・・
点滴の下がってる棒をつかまり、前かがみで歩いていく。
有岡「本人のリハビリも兼ねてるから、手助けしないでって看護師さんに言われちゃったんだ」
だから、看護師さんがそばについてきて、色々説明してくれて、ゆっくりだけど歩き始めた。
激痛が走る中、途中で新生児室の前を通って、五人くらいいる赤ちゃんの中の「有岡Aベビー」と書かれた桃ちゃんを、ガラス越しに見た。
どんどん可愛くなっていく。
まあ、最初が猿だからね。
帰り道も桃ちゃんを眺めて、かなりの時間をかけて病室に戻った。
大貴が、ホッとしたような笑顔を向けた。
看護師「赤ちゃんにｵｯ ﾊﾟｲ吸わせてみましょうか」
A「は、はい・・・」
有岡「あ・・・」
大貴と顔を合わせた。
大貴は、すぐにビデオの準備をしていたけど、撮られるのかと思うと、ちょっと恥ずかしい。
看護師さんが、コットという透明のケースのまま桃ちゃんを連れてきてくれた。
私は、椅子に座り、授乳クッションを腰に巻き、看護師さんから桃ちゃんを受け取った。
A「あ、柔らかい」
昨日一日寝てたから、桃ちゃんを抱っこするのは、今日が初めて。
傷口にクッションが当たり痛いけど、落としちゃいけないって思えば我慢も出来る。
小さい体の支え方を看護師さんに教わり、ｵｯ ﾊﾟｲを出して、桃ちゃんの口元に近づけた。
誰にも教えてもらわなくても、ちゃんと口で含んでる姿に感動…
でも、何も出てないと思う。
赤ちゃんの吸う刺激で、初乳が出てくるらしい。
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2018年5月14日 22時
