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フィッシュ&チップスと具だくさんサラダが、先に運ばれた。




自家製釜のピッツァがオススメらしい。

そう、ピザじゃなくて、ピッツァね・・・





マルゲリータとビアンケッティというピッツァを頼んでいた。


ビアンケッティがよくわからなかったから、さすがだなって思った。








A「大ちゃん、いくつになった?」




大貴「え?29・・・」




A「まだ20代なんだね」




大貴「もう、30だって」





何の話をしようか考えた末に、逆に自分の首を絞めるような質問をしてしまった。

もうすぐ40になる私には、同じ質問はされないだろうし・・・




だからと言って、重い話もしたくない。




フィッシュ&チップスを食べながら、またどうでもいい話をしてしまった。




A「最近ね、うちで揚げ物出来なくなっちゃって。

  ダイキがウロウロしてるし、油が怖くてね」





大貴「ふーーん、そうなんだね。

  子供がいる生活って、色々考えないといけないんだ」




だから、お父さんになるなんて、簡単に言ったらダメだよって思ったけど、また怒られそうで言えなかった。




窯から出したてのピッツァが運ばれた。





A「ぅわー、美味しそう!」




大ちゃんは、フーフーした後、大きな口に入れたんだけど、口の端にトマトソースがくっついちゃって。

その口を見て、すぐにダイキを思い出した。



「ピジャ、ピジャ」って、口の周りと手をケチャップだらけにして、いっぱい食べてた姿を。

もちろんそのピザは、私が作ってうちで食べたものだけど。




あーー、ダイキにもこんなピザ食べさせてあげたいなー




そんな事思ってたら、ナプキンで口をふきながら、大ちゃんが言った。





大貴「美味しい?

  あのー、俺のせいかもだけど・・・なんかつまんなそう」





A「えっ!そんな事ないよ」









そう、ずっとずっと会いたかった人が目の前にいるのに、ダイキの事が気になり始めていた。


だけど、そんな事言っていいのか分からなかった。



その後も、たいして内容もない話をして、そのお店を出た。






大貴「ちょっと、あっち行ってみない?」







そう言われて、「うん」と返事をする前に、時間の確認をする自分がいた。


それを、気づかれていた。






海岸沿いの歩道を歩きだしたら、すっと手を繋がれボソッと言われた。




大貴「ダイキくんの事、気になってんの?」





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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年11月5日 12時

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