98話〜大舞踊演舞〜 ページ2
〜ユキノside〜
あ「やっぱユキノの笑顔は可愛いなぁ〜
あっ…ローグお尻になんか刺さってる
おい誰だローグのお尻刺したの!!!!」
ユ「こんな所でお尻だなんて大きな声で言わないのA!
…ねぇ……Aはわたしが剣咬の虎に戻ることをどう思う…?」
そう尋ねると
ローグ様を見ていたAは
わたしの方へ振り向き隣に歩み寄って
少し俯き気味になりながら話し始めた
あ「…………わたしね
あの夜ユキノが居なくなった次の日の競技で1位をとれば
ユキノを戻してくれるようマスターに交渉してやるって
お嬢に言われてたんだ」
ユ「えっ…」
あ「でも…わたしは
ユキノにギルドへ…剣咬の虎へ戻ってきて欲しくなかった」
ユ「っ…!」
それは…わたしに会いたくない…って事?
剣咬の虎には要らないって…
…いいえ、Aはそんな事思わない
そんな事思うならあの時わたしを追いかけてきてなんてくれない
しっかり聞きなさい、わたし
あ「あんなギルドに戻ってきても
また苦しい思いをするだけ…
ユキノの為にならない……
そう思いだしたらもうやる気なんて起きなくてさ
わざと負けちゃった」
わたしの為にわざと………負けたの?
この人が…?
こんなに…強い人が?
あ「負けたのにスカッとしたのなんて初めてだったよ
寂しかったし…何年も会えなくなっちゃうかもって思いもしたけどさ…
後悔なんて1ミリもしなかった」
ユ「A…」
するとAは
さっきとは打って変わって
わたしと目を合わせ笑顔を浮かべた
あ「だからこそ、ユキノに選んで欲しいんだ
自分が本当に行きたいと思うギルドを!
もちろん、ギルドじゃなくて別の所へ行きたいならそれもいいと思う
ただわたしは1人の友達として
ユキノの幸せを願いたい」
わたしが…
本当に行きたいところ……
あ「さっきの話を聞いて気を使おうだなんて思わないでほしい
そういうつもりで話した訳じゃないんだ
ユキノの望む場所を…教えて欲しい」
望み…
ユ「……また…剣咬の虎に…戻ってもいい?
Aの隣に…居てもいい?」
あ「それがユキノが心から望んで選んだ道なら」
ユ「えぇ、これはわたしが望んで選んだ道よ…!」
あ「わかった!
おかえり、ユキノ」
ユ「…!………っただいま…A」
剣咬の虎でまたあなたと笑い合いたい
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作者名:影星 | 作成日時:2021年5月1日 1時