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想像できない ページ22

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顔をあげれば唇を噛み締め、涙を流すA。

初めて見た、コイツが泣いてるの…



『ぅ、ッ…』

親指の腹で涙を拭ってやっても溢れる涙。

これは…傑のあの反応も納得だ




「何かあったか?」


『っ、ぁ……ッ』


「誰かに何かされたのか?」


『ぅ、ッ…』



「分かった、もう聞かねーから。泣き止めよ…」


何を聞いても涙を流すコイツを見てられなくて
あやすように抱き締めた。

小さいAは俺の中にすっぽりと収まる




「…」



震えてる…余程の事があったんだろうな

普段のアイツからじゃ想像できねーよ


抱き締め、頭を撫でれば更に嗚咽が酷くなった。
何が正解なのか分からず抱き締めたのが間違いだったか?と思った


しかし、俺の背中に手を回し制服を握るAに思考が停止する



「…」





……はは、ヤベーなこれ。

何だか心臓がキュッと音を立てる


眼帯が濡れてしまうと思い眼帯の紐を解いたが


『だ、めッ…!』

と、Aは俺の腕の中から出ようとした。



「見なきゃいんだろ?分かってるっつーの」


眼帯の紐を解いてAの右目を見ないようにそのまま抱き締める。



「これでいいだろ」


『…』


小さく頷くA。嗚咽も聞こえなくなった。
泣き止んだみたいだな




「……で?何があったんだよ」


落ち着いたところで聞いてみたが


『…』


何も答えなかった



なら…





「お前さ…俺の事どう思ってるの」


『…』


興味本位で聞いてみた。しかし返答はない。

…これも何も答えねー感じか



なんて思い、これからどうしようか考えていると




『…大切な…人…』

涙声で小さな声が聞こえた。



「……へぇ」


大切な人…ね、Aの口からそんな言葉が出るなんてな。

あんな人に興味無さそうだったのに
変えたのは高専の…皆か?






「……」




そこに恋愛感情はあるのか、と聞こうとしたがやめた。



「…」




……俺こんな奥手だったっけ



そう思いながらAの頭を撫でる。


ん、と声を漏らしたコイツが…すげぇ、可愛く感じた

不思議と甘やかしたくなるな…
と思った。その時、体に体重がかかる。



「あ?また寝んのかよお前…」


デジャブだろ、コレ。

前回抱き締めた時と同じようにウトウトしてるA。



…俺の腕の中は睡眠作用でもあんのかよ







眠るAを横抱きにし、


「…そんな顔してたんだな」




目は瞑っているが、
眼帯をしていないAを見たのは初めてだった。

変えたのは→←怯えている



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ゆい(プロフ) - 出来れば呪術廻戦0を期待します (2023年1月2日 19時) (レス) id: da308acd1e (このIDを非表示/違反報告)
Mami(プロフ) - 凄く話が良いです! (2022年12月20日 0時) (レス) @page42 id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)
瑠歌 - 初コメ失礼します!ずっと言いたかったんですけど、お話すごい面白いです!更新がんばってください! (2022年12月15日 7時) (レス) @page22 id: 4793296ced (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒姫ユキナ | 作成日時:2022年12月7日 16時

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