罪で結ぶ絆 2

ネックレス ki ページ35

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ボーイズクラブは秘密のクラブで、客の
半数以上は富裕層の女性であり、男を好
む男性客はそれでも三割程はいると思う


そして、俺達は客の望むことは何でもや
るように教育されていたし、満足しても
らえればそれに見合った対価を貰える。


色んな客がいる中で、少年を好む客もい
て、俺は高校時代、そういう客ばかりの
相手をしていた。


ホストクラブほどではないにしても、と
にかく気に入られればいい金になったん
だ。



――まさか、金持ちの相手をさせる、女
子高生の秘密クラブもあるってことなの
か……？


黒川さんっ……

嫌な汗が流れた。




“ヒヨリ以外にも女子高生はいるの？”

“言えない……”

“大事なことだから教えてよ。オーナー
には絶対に言わないから。俺はヒヨリの
味方だし、玉だってそうだよ？”


ヒヨリは、言ってしまった事への後悔と
戸惑いや不安で、どうしていいのかわか
らなかったんだろう

唇を噛み締めながら、落ち着きなくずっ
とボタンを触っていた。


“ヒヨリ、本当のこと話して。大丈夫だ
から”



“いるよ……”


そう言い、俺を見つめた眸には光がなく
まるでガラス玉のように見えた。









それから――――

俺は、何度も何度も辞めるように言った
んだ。姉のために金を早く稼ぎたい気持
ちはわかるけれど、やっていることは犯
罪だ。

俺のようになって欲しくなかった……。

けれどヒヨリは首を縦に振らなかった。

それが何故なのか？それがわかったのは
もっと後になってからだ。




“自分を大切にしないと駄目だって”

“私、辞めない……”

“金なら俺が何とかするよ”

“ミツにそんなことしてもらう理由がな
い”



理由か。

理由ならちゃんとあるから、だから受け
取って欲しい。そう言えたらどんなに良
かっただろう……

何度も喉まで出かかって飲み込んだ言葉。
あの時はどうしても言えなかった……

もっともっと稼いだら、いつかあの姉妹
を探し出して金を渡したいと、ずっと前
から思っていた。

それで許して貰おうなんて、そんな考え
ではなくて……

只、償いがしたかったから。








“これさ、俺とお揃いだよ。お守り。ど
んな時でも笑顔でいれば必ず道は開ける
って。俺も頑張るから一緒に頑張ろう”


“keep Smiling”と彫ってもらったネ
ックレスを首にかけてやると、ヒヨリは
驚いた顔をしてから鼻を啜り、瞳に涙を
いっぱい溜めて


“ありがとう”って笑ってくれた。







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