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偽りの言葉  ★ ページ29








私には何となくわかるの。

私もひろと同じように、心に闇を抱えて
いるから。

心から愛する人が現れて、やっと闇が晴
れた時、突然裏切られ簡単に捨てられた
ら?どんな気持ちがする?



心が避けて……血が吹き出すかな……?

それとも、気が狂う?





きっとあなたは手強いでしょうね。





けれど私だって……伊達に夜の世界で生き
てきたわけじゃない。

腹を括るということの、本当の意味も知
っている。







両親を喪って以来、妹は私の生きる理由
だったのよ……


これから……ゆっくり時間をかけて地獄に
突き落としてあげるから。

そして……私がヒヨリの姉だと知った時の
あなたの顔を早く見たい。

どこまでも堕ちればいい……這い上がるこ
とのできない闇の底まで。





シャワーを水に切り替え、その冷たい水
を頭から浴び続けた。


只、立ったままどのくらいそこで浴び続
けていたのか。そのうちに、もう冷たさ
も何も感じなくなった。


シャワーから出てタオルに包まると、じ
んわりと暖かくなっていく身体。



これが……私……?

洗面台の鏡に映る顔は自分じゃないみた
いだった。



気持ちが落ち着いてくるとともに――

憎しみは、徐々にひんやりと冷たい虚無
にカタチを変え……

私はそれを心の奥底に閉じ込めた。









部屋に戻ると、ひろは上半身裸の状態で
ベッドに横になって本を読んでいた。


「ごめん、遅くなっちゃった」

「いいよ、大丈夫」


私もバスローブのまま、ひろの隣に横に
なる。


「何読んでるの?」

「んー?内緒」

「本は好き?」

「ああ、好きだよ」

「私も好き」




「玲さん、すごい身体冷たいんだけど」


私がぴったりくっつくと、ひろは目を見
開いて私を見つめた。



「だったら……ひろが温めて……」


ひろの身体に腕を回すと、背中の十字架
に手が触れた。



「……後ろからあっためてやるよ」



傷を気にしているのか、ひろは私を後ろ
から強く抱きしめてきた。

うなじにひろの柔らかい唇が触れ、バス
ローブを通して、背中に彼の体温と鼓動
が伝わってくる。



「どうされたい……?」



耳にぴったり唇を寄せ、掠れた声が鼓膜
を震わせた。



「激しくして……、ずっと愛してるって
言い続けて欲しいの……」





「愛してる……」

「ひろ……」








「愛してるよ、玲さん」









―――――――――
「罪で結ぶ絆―月沈むまで―」

偽りの言葉 5に続く。9/15 upしました

Keep smiling ki→←嘘



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設定タグ:北山宏光 , 玉森裕太 , Kis-My-Ft2   
作品ジャンル:恋愛
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siori(プロフ) - れいさん» れいさん、初めまして。フラグの部屋は、R18指定があるので設定が必要な為コミュに登録していないと見られないのです。サイトのルールなので申し訳ないのですが年齢が大丈夫であれば登録すれば読むことは出来ます……。 (2019年9月22日 21時) (レス) id: 25b2988e99 (このIDを非表示/違反報告)
れい - ※の続きが読みたいです。もし宜しければ見方を教えていただきたいです (2019年9月22日 11時) (レス) id: 1d3b0a592d (このIDを非表示/違反報告)
永瀬なつ(プロフ) - ※の続きの見た方が知りたいです(´・ェ・`) (2018年12月25日 22時) (レス) id: 579642299a (このIDを非表示/違反報告)
キラみつ(プロフ) - ※の続きの見方教えて頂きたいです!! (2018年10月18日 19時) (レス) id: 4ba300fb0f (このIDを非表示/違反報告)
m228evanescent8(プロフ) - とても引き込まれる内容で楽しく読ませて頂いてます。※の続きの見方おしえてください! (2018年10月18日 9時) (レス) id: 834a07e579 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:siori | 作成日時:2018年8月17日 12時

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