BAR LUKIA 4 ページ15
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私が微笑むと、その子も笑った。
「マンハッタンお願いします」
「はい」
美しいカットのミキシンググラスの中
で混ざり合う液体は夕暮れの色。カクテ
ルピンに刺さったチェリーは沈む夕日の
ようだった。
「どうぞ」
ひと口啜ると、スイートベルモットのア
ロマがふわっと鼻に抜ける。
裏の顔が会員制のボーイズクラブだと
したら、会員になるにはどうしたらいい
のか？
いきなり訊いたところで、警戒して本
当のことを言わないだろう。それどころ
か、もうここに来られなくなるかもしれ
ない。
私のお店は、土日休みの完全週休二日
だった。それに有給休暇もある。
まあいい。
まずはこの店の常連になろう……
琥珀色のお酒を啜りながら、私はそう考
えていた。
＊ ＊ ＊
次の日の夜、私はまた『ＲＵＫＩＡ』
を訪れた。
出てきた昨日のバーテンダーが、私を
見て一瞬驚いた顔をしたが、また直ぐに
可愛いタレ目の笑顔になった。
「こんばんは、いらっしゃいませ」
「こんばんは」
「えっと……今日も……」
「一人です」
案内されたのは、昨日と同じカウンター
席だった。
「こんばんは」
声をかけられメニューから顔を上げる
と、黒いドレスシャツを着た昨日の男の
子が私の前に立っていた。
昨日は乱れた髪だったが、今日はおでこ
を出し、少し茶色の髪を片方だけ耳にか
けている。
「昨日は失礼しました」
私を覚えているのか、昨日のバーテン
ダーに言われたのか？彼は礼儀正しく頭
を下げた。
「気にしないでください」
色々訊きたかったけれど、訊いたとこ
ろではぐらかされるに決まっている。私
はそれだけ言うと、ジントニックを注文
した。
彼は頷き、無駄のない動作でお酒を作
り、コトンとカウンターに置くと
「あの、お名前伺っても良いですか？」
「名前ですか？」
「差し支えなければ」
そう言い、アーモンド型の眸で私をじっ
と見つめてくる。
妹とは似てないと言われていたが、鼓
動が早くなるのを感じた。
「上月 玲です」
「こうづきれいさん？」
「そうです」
名前は、とっさに源氏名を答えていた。
苗字は母親の旧姓にした。
「綺麗な名前ですね」
「ありがとうございます、あの、私もお
名前訊いても？」
「あ、俺……僕は北山宏光です」
彼は僕と言い直すと、私を見つめ、柔ら
かく笑った。
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siori(プロフ) - れいさん» れいさん、初めまして。フラグの部屋は、R18指定があるので設定が必要な為コミュに登録していないと見られないのです。サイトのルールなので申し訳ないのですが年齢が大丈夫であれば登録すれば読むことは出来ます……。 (2019年9月22日 21時) (
レス) id: 25b2988e99 (このIDを非表示/違反報告)
れい - ※の続きが読みたいです。もし宜しければ見方を教えていただきたいです (2019年9月22日 11時) (レス) id: 1d3b0a592d (このIDを非表示/違反報告)
永瀬なつ(プロフ) - ※の続きの見た方が知りたいです(´･ｪ･`) (2018年12月25日 22時) (レス) id: 579642299a (このIDを非表示/違反報告)
キラみつ(プロフ) - ※の続きの見方教えて頂きたいです！！ (2018年10月18日 19時) (レス) id: 4ba300fb0f (このIDを非表示/違反報告)
m228evanescent8(プロフ) - とても引き込まれる内容で楽しく読ませて頂いてます。※の続きの見方おしえてください！ (2018年10月18日 9時) (レス) id: 834a07e579 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：siori
| 作成日時：2018年8月17日 12時
