罪で結ぶ絆

BAR　LUKIA　2 ページ13

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その他に店員が三名いた。

　皆、若くて綺麗な顔立ちをした男の子
ばかり。



「ウォッカソニックです」


　彼が作ってくれたウォッカソニックは
フレッシュライムの酸味が爽やかで喉越
しがとても美味しかった。

　店の雰囲気とは違う意外な客層がいる
ことに少々戸惑うも、時が経つにつれ、
若い女性客が増えだした。

カクテルを飲みながら、ヒヨリは本当に
ここに来たことがあるのだろうかと、ぼ
んやりと考える。





「お一人でお酒を飲むことは多いんです
　か？」


突然、バーテンダーが話しかけてきた。


「そうですね、たまに飲みたくなること
　がありますよ」


私が微笑むと彼もまたふにゃんと笑った。


「素敵なバーですね」

「ありがとうございます」

「看板も何も出ていないから入る時緊張
　しましたもん。会員制のバーなのかな
　ぁって」


会員制のバーと言ってみたけれど、彼の
表情は特に変わることはなかった。


「ははっ、よく言われますよ〜始めての
　お店に一人で入る時は緊張しますよね
　わかります。お客様が……とても綺麗
　な方なので、僕も今、めっちゃ緊張し
　てますけどね」


　彼は私にそう返すと、はにかむような
笑顔を向けた。人当たりが良く柔らかい
雰囲気の男の子でとても感じが良い。




　
*





　暫く飲んでいたが、私がレストルーム
から出た瞬間、ドンっと男性とぶつかっ
てしまった。


「きゃっ！」


　さっきのバーテンダーが気づき、走り
寄って来た。


「失礼しました、大丈夫ですか？」

「大丈夫です……」





「ミツっ！何してんの！来たらダメじゃ
　んっ……ねぇ……大丈夫？お客さんは
　？」


　ふらついている男の子の腕を掴み、眉
間に皺を寄せ小声で話しかけている。

私は耳を澄ませた。




「あー、まだまだこれからって感じ」

「今日はもう帰ってもらった方が良くな
　い……？」

「大丈夫だって。玉、杉崎さんのボトル
　持って来てくんない」

「……まだ飲むの？……わかった。持っ
　て行くからいいよ、これからはコール
　して」




「わり……」



　白いシャツの胸元が少しはだけ、お酒
を飲んでいるのか、眸が艶っぽくとろん
としている。


彼は唇の端についた口紅を手で拭い、私
と目が合うと視線を逸らした。




　レストルームの奥に目をやると、扉が
あり『Staff Only』と書かれていたが



その先には……

部屋があるのか、階段があるのかはわか
らなかった。




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