現実 ページ2
・
愛する妹を喪ったあの日以来、私は抜
け殻のように生きてきた。
なぜ妹は自らの命を絶ったのか？考え
ても答えなんて出るはずもないのに、毎
日そればかり考えて過ごすことしかでき
なかった。
私の頭の大半はそのことに支配され、
仕事もまったく手につかず、そんな私を
見兼ねたクラブのママからは、ついに少
しお休みをした方がいいと言い渡されて
しまった。
悪夢のような現実から逃げたかった。
妹の部屋を片付ける気力もなくて……
暫く彼女の匂いのする部屋に入ることも
出来ずにいたけれど、いつまでもこのま
まではいられない。
何か手掛りが見つかれば――
そう思うようになり、私がヒヨリの部
屋に入れたのは葬儀の晩以来。彼女が死
んでから、半年経った時だった。
ヒヨリちゃん……
ピンクのベッドカバーに、集めていた
ぬいぐるみの数々。いかにも女子高
生らしい可愛らしい部屋だ。
ここはまだ、妹がいた時のまま……。
懐かしい妹の匂いに、哀しみで胸が押し
潰されそうになる。
妹の事が何かわかるかもしれない携帯
はまだ見つかってはいなかったが、部屋
の片隅の小さいゴミ箱の中に
くしゃくしゃに丸めて捨ててあった破
かれたノートの１頁と、黒い紙製のコー
スターを見つけた。
「これは……？」
私はその紙を広げ、目を見張った。
―――――――――――――――
あなたが負った背中の十字の傷跡も、心
の傷も消えますように
苦しい、苦しくてたまらない
助けて助けて助けて助けて助けて助けて
助けて助けて助けて助けて助けて助けて
助けて助けて助けて助けて助けて助けて
Aちゃん、ありがとう
弱い私を許して
―――――――――――――――
書かれていたのは、妹の悲痛な心の叫
びだった。文字は歪み、震え、激情のま
まに書きなぐったようにも思えた。
ただ引きちぎられたノートに、書きな
ぐるように書かれている妹の字を見てい
たら、涙が後から後から溢れてきて息が
できなくなった。
私宛ての手紙だったのか？それとも、
誰かに宛てて書いたものではなくて、只
自分の気持ちを書きたかっただけだった
のか……
今となってはもう、知る術がない。
ただ最後に、私への感謝と謝罪の言葉
が書いてあるだけ。
高校二年生だった――
まだ、たったの高校二年生だったんだ。
・
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siori(プロフ) - れいさん» れいさん、初めまして。フラグの部屋は、R18指定があるので設定が必要な為コミュに登録していないと見られないのです。サイトのルールなので申し訳ないのですが年齢が大丈夫であれば登録すれば読むことは出来ます……。 (2019年9月22日 21時) (
レス) id: 25b2988e99 (このIDを非表示/違反報告)
れい - ※の続きが読みたいです。もし宜しければ見方を教えていただきたいです (2019年9月22日 11時) (レス) id: 1d3b0a592d (このIDを非表示/違反報告)
永瀬なつ(プロフ) - ※の続きの見た方が知りたいです(´･ｪ･`) (2018年12月25日 22時) (レス) id: 579642299a (このIDを非表示/違反報告)
キラみつ(プロフ) - ※の続きの見方教えて頂きたいです！！ (2018年10月18日 19時) (レス) id: 4ba300fb0f (このIDを非表示/違反報告)
m228evanescent8(プロフ) - とても引き込まれる内容で楽しく読ませて頂いてます。※の続きの見方おしえてください！ (2018年10月18日 9時) (レス) id: 834a07e579 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：siori
| 作成日時：2018年8月17日 12時
