Birthday５ ki ページ41
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「俺……美咲と話すことねーから」
昔から美咲の涙には弱くて――
俺は、彼女の顔から目を逸らし、すぐ
下の床を見つめた。
「私、間違ってた」
一歩ずつ近づいて来る美咲の気配を感
じる。一歩……、また一歩……
――来んな
「今の私は、あの子と……一緒に住んで
もいいって、本気で思ってるから」
――来んなって
「宏くんは、私が絶対に前田くんと別れ
ないって思っていたかもしれないけど
別れたよ？……これで信じてくれる？
――本気だってこと」
――やめろ
「宏くん、大好きなの……」
――やめてくれ
「私たち、いつも一緒だったよね……？
宏くんといた時間、幸せだった……。
プロポーズしてくれた時のこと、まだ
鮮明に覚えてる……」
ふわりと、俺の頬に美咲の手が触れた。
「お願い……私を見て」
動けなかった。
俺を見つめる美咲の姿は昔のまんま。
胸がキューっと、締め付けられるみたい
に苦しくなった。
「もう私は、宏くんの心の中にいないの？
ほんのちょっとだけでもいない？」
「……いねーよ」
自分でも、驚くほど、掠れた声が出た。
「嘘……」
「嘘じゃない」
「じゃあ、どうしてそんな眸で私を見る
の？」
懐かしい香りがふわりとして、美咲の
唇が、俺のそれに重なった。
彼女の唇が、俺を啄み、腕が首に回る。
動かそうと思っても、まるで金縛りに
あったように、身体が動かなかった。
「ねえ、宏くんの彼女って、Aさん？」
耳元で美咲の声が聞こえた。
「……だったら何だよ」
「やっぱりそうなんだ」
その時、Aの顔が脳裏に浮かんだ。
Aは泣いていた。
何してんだ俺っ
「美咲、……帰れ」
「やだ……」
「もう俺たち終わったって言っただろ？」
「そんなこと言わないで……私、宏くん
がいないとダメなのっ……会社でも…
…前田くんに酷い事言いふらされてっ
もう心が折れそうだよっ」
俺は、美咲を突き放すことができなか
った。
彼女がこうなったのは、俺のせいだと
思っていたのもあるけれど
まだ彼女に対する、想いが残っていた
のかもしれない。
どうしても帰らないと、泣く彼女を家
まで送り、あいつの仕事や、会社での悩
みを聞いてやった。
そして俺は――
美咲とキスした。
何度も何度も……キスしたんだ。
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siori(プロフ) - Mielさん» Mielさーん、こんにちは！そうですね、今ちょうど辛いんですっ(T_T)フキちゃんほんと可愛いですよね、私の癒しです！移行しましたので、どうぞ♪ (2017年10月1日 15時) (
レス) id: a482fb1278 (このIDを非表示/違反報告)
Miel(プロフ) - sioriさんこんにちは。やっと読めました。最後のほうはちょっとツラくて泣きました。フキちゃん可愛いな。いろんなこと考えてるんだなって…。みんなが幸せになれるといいな…。続きも楽しみにしています。 (2017年10月1日 12時) (レス) id: 5ce7b7cc41 (このIDを非表示/違反報告)
siori(プロフ) - みっくん大好きえみこさん» 今ちょうど見てて(笑)私もできれば優しくしたかったので、おっしゃってくださり助かりましたぁ！えみこさんありがとうございますっ(^▽^;)ミツに浮気させちゃってごめんなさいっ(;^ω^)いつも辛い話を最後までありがとうございます！頑張りますね！ (2017年9月29日 19時) (レス) id: 031c2bcb7e (このIDを非表示/違反報告)
みっくん大好きえみこ(プロフ) - sioriさん、今 読みました。ミツの電話、少し優しくしてくれたんですね、ありがとうございます。少し気持ちが救われました。でも、なんか…申し訳なかったですね(^^; (2017年9月29日 19時) (レス) id: d81176af93 (このIDを非表示/違反報告)
siori(プロフ) - みんさん» みんさーん、ありがたいことですぅ〜！楽しみにしてくださってとてもうれしい！拙いながらも頑張らせていただきますね！(*´▽｀*) (2017年9月29日 18時) (レス) id: 031c2bcb7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：siori
| 作成日時：2017年9月6日 14時
