ＪＥＷＥＬ

連載ＧＥＴ！ ページ6

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「わかったけど……太輔が自分で書けばいいのに。太輔が私にホルモンの美味しさを教えてくれたんだよ」
「いいの？じゃあ俺が書こうかな、この話はなかったことに……」
「ああぁぁ！！！ちょっ、うそっ！待ってください藤ヶ谷様！その仕事、喜んでさせていただきますっ！」
「いつのまにかホルモンにどっぷりハマってるから驚いたよ」




太輔は可笑しそうに喉仏をコロコロ動かしながら笑うと「ハラミ追加していい？」って訊いてきた。



太輔の上司の吉田編集長、つまり前は私の上司でもあったけれど、彼は無類の焼肉好きだ。
太輔が言うには、編集長が焼肉好きのためにできた企画らしい。
吉田さんらしいよなって２人で苦笑い。



もしかして太輔は、私にその仕事をくれるために今日誘ってくれたのかもしれない。
引っ越しも近いし、お金も必要だと思ったのかも……違うかな？




「太輔、ありがとう……頑張るね……」
「どーいたしまして。Aは責任感もあるし良い仕事するけど、変に遠慮するところがあるからさ、もっと自分に自信を持って俺以外の編集者にも貪欲に攻めたほうがいいよ。
元編集者だったんだから使えるコネは使ってさ、チャンスは自分で作らないと。あ、ビール空だよ」
「え？あっ、じゃあおかわり！」









太輔の担当している『ＮＡＮＡＣＯ』は若者から絶大な支持を受けている人気雑誌で、こういう雑誌のエッセイは原稿料も当然高い。



私が掛け持ちしてやっているＷＥＢライターの仕事に比べれば雲泥の差だし、こんな人気雑誌の、しかも連載なんてなかなか書くことができない。



本当にありがたいことだった。



こうして私は、人気のライフスタイル情報誌『ＮＡＮＡＣＯ』の中の人気企画”東京を美味しく生きよう”の連載の仕事を手に入れることができたんだ。









そして太輔とサシ飲みすること数時間。



優しい夜風が頬をくすぐる都会の夜……
うぅ、久々にやらかした感じ？




「おいっ、大丈夫か？」
「飲みすぎたみたい……気持ち悪っ」
「もうタクシー拾うぞ」
「待って、タクシー乗ったら吐く！間違いなくタクシーの中で吐く！」




仕方がないなぁといわんばかりの太輔。
めっちゃ迷惑そうな顔をしているのが、酔っぱらいの私でもわかるよ。
ひぇ〜、ほんとごめんなさいっ！どうかさっきの話はナシとか言わないでっ









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