ＪＥＷＥＬ

女子力ゼロでも女は女。 ページ46

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ん――……


　目覚めると、見知らぬ天井が目に飛び
込んできた。




えっ？

ここどこ？




　ズキズキする頭を抱え、起きれば隣に
は見覚えのある……






――太輔！？





えっ？ええぇぇ！


思わず、自分の服を見た。

大丈夫、着てる……。

ショーツは？ブラは？……ＯＫ付けてる。



　だけど太輔は上半身裸で、腰から下に
はタオルケットがかかっている。

まさか、全裸？

　ドキドキしながらもチラッとそれを捲
ってみると、良かった、パンツは履いて
いる……。

　だけど……これはどういうプレイをし
たのか？私だけ着ていて太輔は裸って？









　確か、昨夜は美味しい京料理に舌鼓を
打った後、新橋に戻り馴染みの店で飲ん
だ記憶までは――ある。

　自分は何を目指しているのか？フリー
ライターで一生食べていく自信はあるの
か？そんな話を太輔に熱く語った記憶も
ある。




”まったく世話の焼けるヤツだなぁ……
　ほっとけないんだよ”


あれは太輔の声だった…、間違いない。







始めて見る太輔の無防備な姿。

　高い鼻梁にぽってりとした唇。いつも
は見せないあどけなさが残る寝顔だった。


私、どうしたら！？



　しばらく彼の寝顔をぼんやりと見てい
たけれど、ハッとして時計を見ると７時
になろうとしている。




「太輔！起きて！会社に遅れちゃうよ！」

「……ん……、何時？」

「７時！」


太輔は目を擦ると私を見つめた。



「太輔は何で裸なの？」

「何でって？いつもこうだから」

「私っ……記憶がないんだけど、太輔と
　何も……ないよね？」

「あるわけないだろー、おまえ完全に絡
　み酒で大変だったんだぞ」



　表情一つ変えずにそう言うと、ゆっく
りと身体を起こし、次の瞬間私はベッド
の上に組み敷かれふわりと甘い香りに包
まれた。



「なっ、なに！？」


　太輔を押し返そうとしたけれど、彼は
びくともしない。


「酒はほどほどにしたほうがいいよ、力
　だって弱いだろ？こんなに簡単に押さ
　えつけられるんだよ。変な酔っぱらい
　に絡まれたら何されるかわかんないよ
　？自分が女だって事、もっと自覚した
　方がいい」



太輔っ、半裸なんだけどっ。
私を見下ろす彼が刺激的すぎる。



「わっ、わかったから！ねぇ、放して」

「わかればいいよ。悪いけど、会社ある
　から先にシャワーしてくる」



　太輔は私から離れると、首をコキコキ
させながらシャワーを浴びに行ってしま
った。



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