30.揺れる心 ページ30
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声を荒げた私を見て、ニカが驚いた表情になる。
だってっ……
そんな言い方しなくてもいいのに。
北山さんを引っ張り出すなんて言ってほしくない。佐伯さんはどういうつもりなの？
「どうした？そんなに熱くなって」
藤ヶ谷さんも目を丸くしている。
「あ……すみません、北山さんが引きこもって
いるのは辛い過去があるからだと思うんですっ」
「まあ……何らかの理由があるはずだよね。それ、訊けたのか？」
「少しだけですけど……」
「辛い過去って？父親の北山伊織がらみ？」
「それは……彼のプライベートなことなので藤ヶ谷さんにも言えません」
藤ヶ谷さんは腕組みをして私を見た。
心の中を見透かされそうな眸。私は逃れるように俯いた。
「桐谷、これは仕事だから」
「……」
「私情を挟んだらダメだろ？桐谷らしくないじゃん」
その射貫くような視線に身の縮まる思いがする。
「すみません……だけど、北山さんが今は表舞台に立ちたくないって言っているんです。今はそっとしておいてあげたほうがっ……、」
「そんなこと言ったら、この企画はこれで終了ってこと？」
藤ヶ谷さんは煙草に火をつけると深くため息をついた。
「それは……」
「とにかく、一度佐伯さんに任せることになったから。石川さんの判断だから俺にはどうにもできないよ。力になれなくて悪いな。来年、中原書房が創業１００周年だからさ、北山さんには色々と中原書房のイベントに出演したりしてもらいたいって考えてもあるんだよ編集長。だから佐伯さんの申し出に飛びついたんだと思うよ」
私とニカの努力を知っているからか、珍しく藤ヶ谷さんに謝られた。
藤ヶ谷さんが会議室から出て行った後、私もニカもしばらく無言だった。隣からちらちらと視線を感じると思ったらニカが私に訊いてきた。
「北山さんとの関係、順調だったんでしょ？」
「うん……最近、色んな話をしてくれるようになってきたところだったのに……かなりショックかも……」
「要は……トラウマ？」
ニカにずばりと訊かれて戸惑う。
「うん、多分。ごめんね、ニカにも言えないよ」
「そっか……だけど、編集長の決断だったら仕方ないね」
「わかってる……」
「ねえ……もしかしてA……」
「ん？」
「いや……何でもない」
ニカは何か言いかけたけれど、それ以上訊いてくることはなかった。
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siori(プロフ) - にかみつばさん» にかみつばさん、お返事遅れてごめんなさーい！また来てくださったなんて感激です！星も嬉しいです。また書道やってほしいですね！ (2021年3月3日 19時) (
レス) id: ad892650f9 (このIDを非表示/違反報告)
にかみつば(プロフ) - 久しぶりに書道家の北山さんに会いたくなって来ました。いいね☆していなかったみたいでごめんなさい！右☆をポチッとさせて頂きました！ (2021年3月1日 0時) (レス) id: a0721de2a5 (このIDを非表示/違反報告)
siori(プロフ) - にかみつばさん» にかみつばさーん！お待たせしました！パス付きの方は夜には外せると思います！遅くなってごめんなさい！ (2020年7月5日 16時) (レス) id: 05c0397959 (このIDを非表示/違反報告)
にかみつば(プロフ) - ありがとうございます。明日明後日にはと仰っていたのでずっっと楽しみにしていました！これから読めるのが楽しみです。 (2020年6月5日 1時) (レス) id: 74d56dba5b (このIDを非表示/違反報告)
siori(プロフ) - にかみつばさん» にかみつばさん、お待たせしましたー！2のパスワードを外しましたのでお知らせします。大好きと言って下さり感無量です！涙 (2020年6月5日 1時) (レス) id: f587e16f89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：siori
| 作成日時：2016年6月4日 13時
