【黒バス】私的かわいい。

5.あなたを友愛の意味でお慕いしています ページ5

早くしないと桃井先輩の練習メニューを伝える凛々しい姿を見逃すことになってしまう。もしも桃井先輩のかっこいい所はと聞かれたら、すぐさま「練習中にタオルを運んだり記録をとったりする時」や「メニューを伝えるときに癖なのか、結い損ねた髪を耳にかけるのがすっごく可愛い」だのと即答できるくらいには桃井先輩の姿しか見ていない。と、思う。

そんな桃井先輩の姿を見逃したら1日はドブのような日になるし、なにより遅れていては桃井先輩のファンなんて名乗れない。しかも、今日はいつもと少し違うのだ。ふんすと、両手の拳を握って体育館のほうに目を向けた。
──今日こそ、桃井先輩に挨拶して差し入れまでやってみせる。

ここまで気合いが入っているのは、今日の時間割にある、とある授業が理由だ。縦割りで行う体育。いつもは運動がからっきしなので気乗りしないけれど、今はそんなこと言ってられない。
……もしかしたら桃井先輩と同じチームになれるかもしれないのだ。会話がそんなにできずに終わってしまわないように、朝のうちにきっかけを作らねば…！

強く拳を握ることで固い決意を胸に刻み、差し入れを両手のうちに抱える。間に合わせるためだけに、小走りで桃井先輩のいる第一体育館を目指した。

「待っててくださいね、桃井先輩…！金糸雀は必ずあなたに差し入れしてみせます…！！」

6.それは、確かすぎるほどの違和感→←4.貶してはいないの、理解できないだけで

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