そ れ で も き み は 。【 成 宮 鳴 】

１５． ページ15

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沢村くん、良いテンポであっさりツーストライク…





ここで3球できっちりアウトにできれば…！









「デッドボール！」






「ｻﾞﾜｻﾞﾜ」









え、……！？







観戦者「初先発で緊張してんのか？」



観戦者「幸先悪りーな」









沢村くん、今……









インコースに？




沢村「やっちまったー」



そう言いながら焦る沢村くん








その後、死球の打者の牽制に集中しすぎて、


次の打者をフォアボールで歩かせた








『沢村くん、猫目になってる……』







でもそのまた次の打者をファーストゾノくんがタッチアウト








なんとかワンナウトはとれたけど、



この次が七森の厄介なバッター……







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ｶｷｰﾝ!!






外で立て直したアウトコースをあっさり打たれてしまった







やばい……！









「ファール！！」







ふぅっとみんなため息をつく









……この打者、外に狙いを絞ってる、？





こんな時こそインコースが欲しい…




それは御幸くんも、監督も考えてること









この打者をどうやって捕らえるのか…








私は沢村くんの様子が違うことに気づいた







！！





もしかして……！









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歓声が巻き起こった









公式戦しか見ない人や七森学園を除いて









沢村くんが、インコースを投げたのだ









投げた本人もすごくニヤニヤしてる









でも、その感情が昂ったまま投げたせいか、

甘い球を投げてしまった








沢村「レ、レフトー！！」








ランナーが走りだしたその瞬間、









ものすごい速さで剛球がホームに返ってきた









レフトは降谷くん






その痛烈な応援もあり、沢村くんは3人目もきっちりアウトにすることができた

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