信心深い王子様と ページ1
｢あ、あの……A殿？｣
スパルトスは酷く困惑していた。
｢スパルトス様、好きです……｣
｢！？！！？？！？｣
踊り子服で自身の腕に絡みつくA。
その頬は上気していて、瞳は潤んでいる。
鉄の自制心で自身を抑え込むが、もしかするとそれもそろそろ限界かもしれない。
いつの間にこんなことになったのか。
スパルトスは、既に真っ白な頭の中を掻き分けて現在の状況への経緯に思いを馳せた。
◆◇◆
｢今日は謝肉宴だ！！｣
王が叫んだのは今日の昼頃だった。
いつも通りに南海生物を解体し、そのまま準備に入った。
部下であるAは大人しいながら謝肉宴がとても好きで、勇んで準備をしていたのは記憶に新しい。
このAというのが、とても優しく淑やかで品のある女性なのだ。
実の所を言うと、私は彼女を想っている。
初めはそれに気づきすらしなかったが、世話焼きな先輩方と王のおかげでなんとか気づくことができた。
そんな彼女が楽しそうに準備をする姿は微笑ましく、その時の私は、今日の謝肉宴は楽しくなりそうだなくらいにしか思っていなかった。
それなのにどうしてこうなった！
いや考えなくても答えなんて分かる。それは──
｢よおスパルト……悪い、邪魔した｣
｢待ってくださいシャルルカン殿！｣
｢ちょ、掴むな！どう見ても邪魔もんだろうが俺！｣
どう考えてもこの人しかいない。
｢A殿に一体どれだけ飲ませたんですか！？｣
｢おまっ……始めっから俺が犯人みたいな言い方すんなよ！｣
｢では違うと？｣
｢あ、いや、俺だけどよ……｣
口篭るシャルルカン殿にため息をつくと、私はAに目をやる。そしてその瞬間、見なければよかったと酷く後悔した。
艷めいた口元。
汗で額に張り付く前髪。
潤んだ瞳。
そして軽くはだけた胸元から覗く真白な肌。
一つ一つがあまりに扇情的で、当てられただけで欲が募るのに、それに加えて彼女は私を好きだという。
思いを寄せる女性が、隣で、こんな姿で、私に想いを告げている。
この状況で平然としていられる者など神しかいない筈だ。むしろそうあってほしい。
でなければ、私は教義を守らない不信心な教徒となってしまう。
｢な？やっぱり俺は邪魔だろ？ってことでそれじゃあな！｣
いい報告待ってるぜ！
ニヤニヤ笑顔で去っていったシャルルカン殿だったが、A殿がの色香に当てられた私はそれどこれではなかった。
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ぴの(プロフ) - リクエストです！ジャーファルさんで謝肉宴お願いします!! (2019年1月15日 10時) (
レス) id: 3707f5c19b (このIDを非表示/違反報告)
すず御前(プロフ) - スパルトスさまぁああああああああ (2018年2月16日 14時) (レス) id: 017ce6df75 (このIDを非表示/違反報告)
凰朧月鬼華(プロフ) - 素敵な小説ですね 。更新待ってます！ (2018年1月13日 1時) (レス) id: dc0e03a692 (このIDを非表示/違反報告)
ミカノ(プロフ) - ネネさん» なんでもなんてそんなっ！めっちゃ照れます(*/□＼*)っ できるだけ内容が被らないようにはしてるんですが如何せん発想力が乾物なもので^^; シチュの件分かりました！満足して頂けるよう頑張りますね！ (2017年3月20日 23時) (レス) id: 76a07dd323 (このIDを非表示/違反報告)
ネネ(プロフ) - そうですね。ミカノさんの書くものはキュンと来てなんでも好きですが、アリババ君が夢主ちゃんを攻めてくれたらいいです！ (2017年3月20日 21時) (レス) id: ffbb331e36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミカノ | 作成日時：2017年2月25日 21時
