お酒好きの剣士様と ページ5
「なァ、A。お前はどうなんだ……?」
「えっ、あ、いや……それはそのっ……」
好きです、だなんて言葉が出てくるほど今の私は冷静じゃない。
どうしよう。
どうしたらいいんだろう。
言うべき言葉が見つからず口篭っていると、シャルルカン様は、再び耳元で囁いた。
「……質問に答えねェ悪い部下には、仕置きが必要だよなァ」
酷く焦ったような、それでいて不機嫌な声色に、Aの額に冷たい汗が伝う。
「ま、待ってください!だっていきなりそんな……っぁ、!」
言いかけた言葉は、突然耳に這わされた舌によって遮られる。
「待っ、てっ……耳はっ、やめっ」
「……聞こえねぇ」
耳朶をやわやわと食んだかと思えば、裏側や内側を耳の形に合わせてねとりと舐められる。
背中にゾクゾクと走る電流のような快感が、少しずつ正常な思考を溶かしいていく。
「……も、耳、やぁ……っ」
抑えたくとも抑えられない、自分のものとは思えないような甘ったるい声にさえも体が疼き、甘い吐息が溢れる。
「なァ、A……」
「ッ……ぁ」
囁かれるだけでビクリと震える体は、完全に出来上がってしまっている。
「もう一回聞くぜ……?」
お前は俺のこと、どう思ってんだよ。
酷く嗜虐的な声に、私の中で何かが弾ける音がした。
「好き、ですっ……!」
貴方が好きです。好き。
確かめるように何度も言うと、シャルルカン様は「よく言えました」と満足気に私を見下ろした。
そして再び首筋に顔を埋めると、言った。
「いい子には、御褒美をやらないとなぁ?」
今日は覚悟しろよ?
シャルルカンはニヤリと笑うと、蕩けた唇にキスをした。
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ぴの(プロフ) - リクエストです!ジャーファルさんで謝肉宴お願いします!! (2019年1月15日 10時) (レス) id: 3707f5c19b (このIDを非表示/違反報告)
すず御前(プロフ) - スパルトスさまぁああああああああ (2018年2月16日 14時) (レス) id: 017ce6df75 (このIDを非表示/違反報告)
凰朧月鬼華(プロフ) - 素敵な小説ですね 。更新待ってます! (2018年1月13日 1時) (レス) id: dc0e03a692 (このIDを非表示/違反報告)
ミカノ(プロフ) - ネネさん» なんでもなんてそんなっ!めっちゃ照れます(*/□\*)っ できるだけ内容が被らないようにはしてるんですが如何せん発想力が乾物なもので^^; シチュの件分かりました!満足して頂けるよう頑張りますね! (2017年3月20日 23時) (レス) id: 76a07dd323 (このIDを非表示/違反報告)
ネネ(プロフ) - そうですね。ミカノさんの書くものはキュンと来てなんでも好きですが、アリババ君が夢主ちゃんを攻めてくれたらいいです! (2017年3月20日 21時) (レス) id: ffbb331e36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミカノ | 作成日時:2017年2月25日 21時