黄衣の王が拾ってきた【第五人格,Identity V】{一章}

47.ジャンケン ページ47

「ジャンケン！」


屋敷に入ると、ベイン,美智子,ヴィオレッタ嬢,黒無常,ジョゼフが、円になり、ジャンケンをしよとしていた。


「き、貴様ら、一体何をしようとしているのだ？」


ハンターたちは、本気のゲーム直前に見せる顔をしながら、ジャンケンをしようとしているのを見たハスターは、困惑しながら言った。


「今から、ハスターさんとAちゃんを呼びに行くのを決めるジャンケンをするところです！！！」


途切れなく喋るヴィオレッタ嬢。


「ヴィオレッタ嬢はんの言う通り、呼びに行くのを決めてるんや！！！」


般若の面に、引き留めるを発動したかのような目をしながら言う美智子。


「ハスターさんが、和んでいる様子を撮りたいんです！！！」


隠すのも辞め、本心を言うジョゼフ。


「とりあえずやってんだ…って？！」


等の本人たちが居ることに気付くベイン。


「ヴィオレッタ嬢に美智子、ジョゼフ
少し落ち着け…それから、庭へのドアの方を見ろ。」


白熱した戦いになりそうになったので、落ち着かせ、ハスターたちが居る方に向かせる黒無常。


三人は一斉にハスターとAの方を見た。


Aは、三人が振り向いた瞬間、恐ろしい形相に怯え、ハスターの後ろに隠れた。


「？！
Aさん！？」


本心を訊かれ、なおかつ、Aに自分でもしたことの無いような顔を見られ、どう挽回するか、思考を回らすジョゼフ。


「あ、あわわわ。」


ヴィオレッタ嬢は、どうしようもない恥ずかしさに、顔を手で覆った。


「は、ハスターはん…と、Aはん？！」


肩を振るわせ、ハスターの後ろに隠れるAが目に入り、「どうしましょどうしましょ。」と慌てる美智子。


「まぁ、落ち着けよな。」


ベインが、三人をもう一度落ち着かせた。


「…すみませんね、Aさん。」


ジョゼフは一呼吸置き、怖がらせないように、少し距離を置きながら言った。


「すまへんな、Aはん
怖がらせてしもうて…」


美智子はジョゼフより一歩前に出て、怖がらせてしまい、涙目になる顔を扇子で隠しながら言った。


「あ、え、えっと…」


ヴィオレッタ嬢は、どうすれば良いのかわからず、あたふたしていた。


「Aよ、三人とも悪気は無い。」


ハスターが、Aの頭を撫で、「安心しろ」と言うと、Aは、ゆっくりと、三人の方に向かった。


「…これ、どんな状況ですか？」

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