急募月永レオの引き取り先。

急募15 ページ15

瀬名先輩によって連れてこられた部屋には幸いにもなるちゃんしかいなかった。


「で？あんなに静かな王さま初めて見たんだけど？」


「作曲も手につかないって感じだったわァ」



考える素振りをしながら教えてくれる。レオ先輩、そんなに断られたのが悲しかったの？どうして？先輩にとっての大切なものは私じゃない。他にあるでしょう？


『告白、されたんです。でも断りました。レオ先輩にとって大切なものはknights。それを私たちが付き合ったせいで潰した、なんてことしたくないんです』


はっきり、正直に伝えた。私もやっぱknightsが大切だから。


「あのさぁ。あんたはどう思ってるの。れおくんのこと、好きなの？嫌いなの？自分の気持ちさえも伝えずに断るとかアホ極まりないんだけど」


「確かにちゃんとした気持ちを伝えないと納得いかないわよねェ」


「そ。要するにAは王さまにちゃんと気持ちを伝えなきゃいけないわけ。好きなのか、好きじゃないのか。今の返事は中途半端すぎるから」


瀬名先輩は不機嫌そうに言葉を吐き捨てるとさっさと出ていってしまった。


「Aちゃん、自分の気持ちに向き合ってちょうだい。きっと答えが見つかるはずよ」


すれ違い様に微笑みを浮かべながらなるちゃんが残した言葉。


...私はどうすればいいんだろう。

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