第二十一話 其の男の名を ページ22
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「ッあッ……!」
自分自身で喉を押さえつけて地面に倒れる。
止まるんだ。何時ものように押さえ付けるんだ、生き物としての本能を。理性で覆い隠せ。
然し、もう一度箱の中に戻そうとしても反発するソレ。千切れそうなほど限界が来ている理性の糸を紡ぐのも間に合わない。嗚呼、何て醜い性だろうか。相手を自分の物にしたいという支配欲は、結局如何にも抑えられない。
これが【運命の番】というモノなのだろうか。
薄れゆく意識の中、只其れだけが頭にこびり付いていた。
「いやぁ、良い一時だったよ」
コツコツと路地に足音が響く。
「私も童心に帰って、異能力で敵をバッサバサとやっつけたく───」
「ねぇリンタロウ」
横を共に歩いていた少女が、男の白衣の裾を掴んだ。
心配の表情を浮かべて男を見上げる。
「大丈夫?」
其の大丈夫が何を指しているものなのか、彼は直ぐに判ったようで微笑みを浮かべた。
「心配してくれるなんて矢っ張りエリスちゃんは私の事」
「嫌いよ。心配して損した」
「えぇ!非道いなぁもう」
シクシクとうざったらしく泣く真似をする。だが其の表情には何処か赤みがあり、何かに耐えていた。
少々歩くと、血の匂いが舞う開けた場所に出た。
体の何処から血が出ているのか判らなくなる程赤く染まった死体が一つ、中央に置かれている。黒帽子を手に持つ背丈の小さい男を筆頭に、彼の姿が見えた途端跪いた。
「……これが
「はい」
先程の男が答える。白衣を着た男は其の死体を踏み越え、血の付いた靴底で数歩歩いた。これが日常茶飯事だとでも云う様に。
「探偵社に組合、我々も又困難な戦局と云う訳だ。
_____最適解が必要だね」
顔に掛かっていた髪を掻き分け、本当の姿を
「組合も、探偵社も。敵対者は徹底的に潰して───殺す」
其の男の名は「森鴎外」。非合法組織ポートマフィアの現
彼女、二階堂Aの■■■■である。
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Gal - 魔人ガーZ…なんかあったな、そんなの。ガンダムみたいな奴… (4月27日 19時) (レス) @page45 id: 6203c50de1 (このIDを非表示/違反報告)
サラミザラ(プロフ) - お二人共コメント有難うございます!!真逆そこに触れていただけるなんて……(笑) (3月4日 14時) (レス) id: 1a675fd086 (このIDを非表示/違反報告)
零奈(←履歴を消したバカ)(プロフ) - 瑞穂さん» 同じく!! (3月3日 23時) (レス) id: b9e38a5313 (このIDを非表示/違反報告)
瑞穂(プロフ) - 物語に関係ないけど、魔人ガーZ好きです (3月3日 23時) (レス) @page45 id: 18f9935b97 (このIDを非表示/違反報告)
サラミザラ(プロフ) - graply12さん» 私チョロいのでその言葉信じちゃいますよ……??良いんですね!?!?コメント有難うございます!!公開するのはいつになるかは分からないんですが、書き溜め作っときますね……! (3月2日 22時) (レス) id: 1a675fd086 (このIDを非表示/違反報告)
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