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16話 ページ18

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「さっきのパンチ、嬢ちゃんの命で返させてもらおうか!」

「ッ…!」


男の威勢が再び私の恐怖を蘇らせた。一瞬が息ができなくなって、目尻には自然と涙が溢れ始める。

私、今ここで死ぬの?
そうだ、さっきみたいに異能力を使えばいい。
でも、怖い。怖くて何も考えられない。
どうやって異能力を使ってた?どうやったらもう一度倒せる?
どうやって_____________。

頭も体も恐怖で支配されていた。体の震えが止まらない。
声すら出せない状態になっていた。

突きつけられる拳銃の引き金が徐々に擦られる音が聞こえ、視界がぐらついていく。


あぁ。もう私、無理かも…__________。


「彼女を離せ」

「……!」


かの人の声が耳元で響く。
瞬間、綺麗な断面で切られた銃口が足元に落ちた。

ほんの僅かな静寂が夜の森を包む。

その間何が起きているか、寸前恐怖に震えていた私には到底理解できる筈もなかった。
ただ、あの凛として落ち着いた声に涙が一つ落ちただけだった。


△▼△

鐵腸side


一人、二人と逃げる輩を捕らえていく。
あの木小屋に居たのは、最初に戦闘不能にさせた男を含めて四人と見えた。

残るはもう一人________。


「鏑木…」


一部犯罪者共の戦闘不能を外部に知らせ、連行するよう無線で要請した。
だが彼女だけは応答も、現状報告すらも来ない。

嫌な予感がする。

不気味に静かな無線と、夜風で揺れる木の葉の音に急かされるまま人の気配を探った。


そしてふと、二人分の黒い影が視界に映る。

見つけた_______。
そう自覚するよりも速く、敵の持つ拳銃に刃が届いた。


「彼女を離せ」

「……!鐵腸さんっ……!」

「コイツっ!いつのまに…!!」


男の頸に至近距離で刃をたてるも通用しなかった。
奴は矢庭に懐から小型ナイフを取り出し、俺の眼を目掛けて振り翳した。

避ける間もない鋭い動き。だがこの刃を前に屈する俺ではない。


「がッ…!?」


顔面直前まで迫った刃を素手で押さえ、そのまま砕く。
男がそれに気を取られている瞬間を突いて頸に手刀を食らわせた。
気を失って倒れる奴は、鏑木を腕に巻いたままだった。彼女も傾倒される前にその腰を引く。


「わわっ…!?」

「怪我はないか」

「えっと、大丈夫です…。すごく怖かったけど…」


勢い余った彼女は俺の胸に飛び込む形になった。

今にも泣き出しそう。というか、頬に涙痕が僅かにあることから涙を流していただろう。

思わず彼女の頬にそっと手を触れた。

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とっふ - わぁ……夢主ちゃん可愛い…最高ですね! (1月3日 17時) (レス) @page2 id: 521a35a539 (このIDを非表示/違反報告)
るぅ - 最高です!続き楽しみにしてます!! (9月21日 20時) (レス) id: 2822ecfe2a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ラザニア太郎 | 作成日時:2023年3月27日 22時

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