八話 ページ10
「敦君、まだ着かないの？私もう疲れちゃったんだけど。」
「奥の角を曲がったら着くと思うんでちゃんと付いてきてくださいッ!!!!」
悲鳴を聞いてから大体五分は経ったか、三人は横一列で並んだ状態で走っていた。
「最悪の事じゃなきゃあいいんだけどな。」
そう言って少女は額から流れてきた一筋の汗を袖で拭った。
「最悪の事… ？」
敦が眉間に
敦の問いかけに少女は大きい目をわざとらしく細めて言った。
「分かってるくせに、嫌な奴だねぇ。お前さん。くくッ。」
少女の不気味な笑い声が聞こえたと同時に三人は一斉に角を曲った。
只でさえ人通りの少ない路地裏。
街灯が整備されていないその空間は夕方になれば余計、黒が目立つ場所であった。
三人が目を凝らしその場所をよく見る。
そこには ______
「______ ｯｯ!!!!!谷崎さんｯ!?乱歩さんｯ!?」
闇よりも濃い黒で染められている谷崎と乱歩であった。乱歩は壁を背に、谷崎はうつ伏せになってうなだれていた。
二人を見て敦は血という血が、全て、一瞬の内に顔から消え失せたのだ。
一歩も動けない敦。そんな彼を横目に冷ややかな目をしている少女。
彼女はゆっくりと歩き出し、谷崎の傍に行く。
「…… 。
______ッ!!少年!!まだ息はある!!助けを呼べ！」
「えｯ!?!?は、はいっ!!!!」
谷崎の口元に当てた手が微かな生命の鼓動を感じ取ったらしい。
少女の言葉に敦は持っていた携帯をすぐさま取り出し、まだ押し慣れていないパネルを人差し指であの人のところへとかける。
プルルルルと、か細いコール音が鳴る。
その様子を少女は乱歩の息を確認しながら、太宰は腕を組みながら見ていた。
だが、
プルルルルル______ ブチッ
「えっ。」
「少年ｯｯｯｯ!!!!!後ろｯｯｯｯｯｯｯｯ!!!!!!!!!!!!!」
突如途切れるコール音、少女の悲鳴に近い叫び声。
一瞬、敦は何が起こったのか理解しかねた。
たが少女の言葉に後ろを振り向く。
そこには
「 __________キャハっ。遊ぼうぜｪｪｪｪｪｪｪ!?!?」
まるで蝙蝠のような男が敦に飛びかかろうとしていた。
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夏蜜柑(プロフ) - さけられるチーズさん» コメントの返信が遅くなってしまいすみません。応援ありがとうございます。これからも頑張って書き続けますのでよろしくお願いします(^^) (2016年5月2日 17時) (
レス) id: 4b1740a2d9 (このIDを非表示/違反報告)
さけられるチーズ(プロフ) - これからどう芥川さんにいくか気になります！♪( ´▽｀) 更新頑張ってください！ (2015年7月3日 19時) (レス) id: 26b822a438 (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑(プロフ) - 中矢さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです。期待に答えられるよに書いていきますのでこれからも是非よろしくお願いします。 (2015年5月5日 22時) (レス) id: 61e9595a71 (このIDを非表示/違反報告)
中矢(プロフ) - 楽しく読ませていただきました。私も原作読んでます。いいですよね！続き頑張ってくださいね！ (2015年5月3日 19時) (レス) id: 7f7dd8e1cd (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑(プロフ) - 禁煙Dutchさん» ありがとうございます。更新を頑張りますのでこれからもよろしくお願いします。 (2015年3月29日 21時) (レス) id: 9f8193b493 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏蜜柑 | 作成日時：2015年3月20日 20時
