4、姫という立場 ページ4
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『場地圭介の妹のAです。』
「あ、圭介の妹さん?私は天方エルって言うの。」
『よろしくお願いします。』
「うん、よろしくAちゃん。」
怪しんでいることを悟られないように、笑顔を貼り付ける。
エルさんもニッコリと笑うと、マイキーくんの方に行ってしまった。
マイキーくんもどこか嬉しそう。
きっと、この人が悪女なら、誰にもバレないように上手にやってるんだろうな。
女の子は、こういうことに鋭いから気付いちゃうけど。
やっぱ、それに気付けるお兄ちゃんはすごいよ。
今は、証拠がいるな。
『お兄ちゃん、多分勘当たってる。』
「マジか。」
『うん。』
私はお兄ちゃんの元に行くと、小声でそう伝えた。
エルさんもきっとそうだ。
マイキーくんと同じで、私が場地圭介の妹じゃなかったら、絶対何かしてた。
私の立場は強いかもしれない。
私はそのまま、お兄ちゃんのそばでマイキーくん達の話を聞いていた。
・
とにかくすごかった。
東卍の人、全員エルさんに甘い。
えるさんも、東卍の人全員とよく絡む。
これが姫っていう立場なんだ…。
「A、帰んぞー?」
『うん!あ…ごめん忘れ物!』
お兄ちゃんがバイクの後ろに乗るように促してくれた。
しかし、エルさんと見知らぬ女の子が話しているのを見てしまった。
忘れ物をしたと嘘をつき、物陰からそっと様子を伺う。
「あのっ…、勝手に集会に来てすみません。場所ここだって聞いたので。」
「うん。要件は何かな?」
「松野くん…松野千冬くんにこれを渡してもらいたいんです。」
その女の子が差し出したのは、可愛らしくラッピングされたもの。
千冬にあげるつもりなのだろうか。
「私、松野くんと他校でえるちゃんが知り合いって聞いたから渡してもらえないかなって。この前不良に絡まれてるところを助けてもらったの。」
「えへへ」と頬を赤くして笑う女の子。
千冬とは他校で、エルさんと同じ学校らしい。
エルさんはにっこり笑うと、それを受け取った。
「えっ…」
『…!』
声が出そうになって、必死に口を塞ぐ。
なぜなら、エルさんがそのプレゼントを水たまりに落としたから。
「何で…」
女の子はショックというより、状況が理解できずに固まっていた。
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ミャウン⭐️ - 美人羨ま〜 (2022年4月4日 12時) (レス) @page18 id: e85af83036 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - 作者の好きが集結した作者好みの夢主ちゃんです!まさに!笑 コメントありがとうございます!! (2021年11月23日 12時) (レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)
橋に生息する桃 - 夢主ちゃんカッケーっすね。もうカッケーとしか言えんです。 (2021年11月23日 12時) (レス) @page36 id: aad490b727 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - 一匹の虎さん» コメントありがとうございます!悪女をこてんぱんにできる作戦があるなら、ぜひとも遭遇してみたいものですね!笑 (2021年11月13日 19時) (レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - カルナさん» 本当に申し訳ないんですけど、作者はアニメ勢な上作品の結末はある程度考えてあるので難しいです…。本当にごめんなさい!またいつか天竺メインのも書いてみたいです!笑コメントありがとうございました! (2021年11月13日 19時) (レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこれーと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/64be1a2e2a1/
作成日時:2021年9月23日 12時