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side.M
「へぇ〜松潤ってやっぱ頭いいんだね！」
「そうですよ。潤くんは相葉さんと違ってただのバスケ馬鹿じゃありませんから。ここが違うんですよ」
相葉先輩の頭を指さしてコン、と突いているのは二宮和也。
俺と同じクラスの奴で、ついさっき会ったばかりなのに随分と親しくなった。
俺は初めて会った人には大概怖がられるか遠巻きに囁かれるか。
高校に入ってもそんなもんだろうな、と考えていた俺は初日から凄い人達に囲まれているこの状況に頭が着いていかない。
「そんな事ばっか言ってるけど、二ノちゃんは俺の後輩だからね？分かってる？」
和の言葉に屈する事もなく頬をつねる相葉先輩も中々の変わり者だろう。
まぁ、もちろんいい意味で。
「仲良いでしょ？この二人。ほんとに昔っからなの。俺はいつも二人がこうしてやり合ってるのを見てるんだけど意外と面白いでしょ？」
ホットコーヒーを飲みながら櫻井先輩と俺に笑いかけてくれる風間先輩。
その言葉に返す櫻井先輩は少し言葉を選んでいるように思えた。
「そういう風間くんも雅紀と仲良いじゃん。俺もあぁいう関係ちょっと憧れるなぁ」
「俺もです。今までは友達とかちょっと面倒臭いって思ってたんです。でも今日皆さんと会って少し変わりました」
心の内を正直に話せば風間先輩も櫻井先輩も優しく頷いて「携帯持ってる？」と携帯を振る。
俺と交換してくれる？この人達が？
いやいや、まさかそんな訳ないよな。
だから、「はい、持ってます」と答えるのに三秒掛かった。
「よかった。なら番号交換しようよ。俺も潤ともっと仲良くなりたいし」
きゅっと俺の隣に詰め寄るから距離は先程よりぐっと縮まる。
櫻井先輩からほのかに感じる優しい匂いに胸が高鳴るのを感じた。
「俺の方こそお願いします！えっと…あのぉ、しょ、翔さん！」
婚約の申し入れかって言うぐらい強く頭を下げたうえにたどたどしい翔さん呼びに風間先輩は大爆笑。
顔を上げれば翔さん自身も顔をくしゃっとさせて笑っていた。
その笑顔にまたしても心がときめいている事に俺は気付いていた。
「あっ！松潤ってば、もう翔ちゃんに惚れちゃった？早いなぁ〜」
「やっぱりな、潤くん」
相葉先輩と和の言葉に顔を赤らめている翔さんと心を読まれて唖然としている俺。
「いや、いやいや。そんなんじゃないですから」
必死に否定しながら、どこか少し嬉しかった。
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作者名：未翔
| 作成日時：2019年9月1日 14時
