10 違和感のわけ。 ページ10
side.O
俺にしては少し早い時間に目が覚めた。
でもまぁ調子のいい日の翔くんや朝練で忙しい雅紀、料理担当の松潤にとってはなんて事ない時間だ。
昨日はいい所まで仕上がっていた絵を描き上げたから、つい寝るのが遅くなってしまった。
「おはよぉ」
リビングに降りて、どこかいつもと違う空気だと咄嗟に感じ取る。
翔くんはずっーと庭の方を見ていて何だか魂が入ってないって感じで、
ニノはそんな翔くんを見ては松潤の方を見てを繰り返し、
松潤はそんなニノの視線も受けながら黙々と皿洗いをしている。
「おはよう、大野さん」
「あぁ……何かあった？」
そんなの聞かなくても分かってるくせに。
松潤の顔には明らかにそう書いてある。
いやいや、空気が異様な事は分かるよ。
分かるけど、理由なんてそう簡単に分かんねぇだろっての。
「大野さん、ちょっと」
見かねたニノが俺を引っ張り出して廊下に連れ出す。
「翔ちゃんさぁ…気付いてるとは思ってたんだけど、大野さんが締切が近い仕事を断ってるの気にしてるみたいです。自分のせいでっ…」
「そんなことっ…」
「分かってますよ、俺も。
でもそれが今朝話題になって、相葉さんが……」
どうりで松潤が俺に冷たい訳だ。
「別に誰のせいでもないんですから大野さんもあんまり気を落とさないで下さいよ。一番近くで翔ちゃんを支えられるのは大野さんだけなんだから」
ホントにニノにはどんなに隠してもバレちゃうんだよな。
「これでも心理学専攻ですから」
「じゃあ…ニノは雅紀のこと、頼むわ」
ニノにとって雅紀は先輩であり、固い絆で結ばれているっていうか。
二人で居ることも多いしな。
雅紀は翔くんのこと大好きだから、きっと落ち込んでると思う。
「馬鹿みたいに素直で、そのくせ寂しい時程一人になりたがるんですから、あの馬鹿は」
「そんなこと言って、お前も素直じゃねぇな」
「さっきまで死んだような顔してた大野さんに言われたくはありません」
「一回はお前の口を閉じてみたいわ」
ニノとわぁわぁ喋っているとリビングから翔くんが首だけをヒョイっと出す。
それがまぁ泣きそうな顔をしてるもんだから、肩を抱き寄せて、どうした？と聞けば、
「ごめ、智くん…ごめん」
って謝るもんだから、取り敢えず俺の部屋に連れて行き、大学に行かなきゃ行けないニノと松潤を送り出した。
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未翔(プロフ) - 蒼星さん» 読んで頂きありがとうございます。そう言って頂けると有難いです。出来るだけ更新したいと思いますので、これからもよろしくお願いします。 (2019年5月26日 12時) (
レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
蒼星(プロフ) - 初めまして。毎回更新を楽しみに拝読しております。わざわざ更新出来ない旨のご連絡ありがとうございます。読者は作者様から与えて頂くもので楽しませてもらっていますので多少の待ち時間は気にならないです。お気になさらずこれからも楽しみに待っています。 (2019年5月26日 11時) (レス) id: c0123debb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2019年5月19日 21時
