33 誰よりも大人。 ページ36
side.O
夕方を少し過ぎた頃、雅紀と松潤が揃って帰ってきた。
「あーやっと家だよぉ、、ただいまー」
「おかえり、二人とも」
リビングに居るのが俺だけだということに気付いた松潤は静かに目で訴えかけてくる。
「今はニノとお風呂入ってるから」
「そっか、もう大丈夫そう？」
俺と松潤の話に雅紀も言葉は発しないもののじっと耳を傾けている。
心配してるんだろというのが分かるからこそ、わざと明るく伝えた。
「翔くん、今日いつものやつで、さ……
でももう元気にしてるから許してやって」
「当たり前じゃん。言われなくても翔ちゃんに怒るなんて、ないない」
首を振って、手まで器用に振っている雅紀は俺の意図が分かっているらしく自然と松潤の肩を抱いている。
「雅紀」
「ん？」
「翔くんの想い聞いてやって」
俺の口から多くを語ることはやめた。
翔くんが伝えることに意味がある。
俺が伝えたところで、それは雅紀にとっても翔くんにとっても何にもならないんだ。
「はぁー久しぶりに翔ちゃんと入ったなぁ」
「だから、俺は！」
廊下からニノと翔くんの言い合う声が徐々に近付いてくる。
「だからって！、あっ、おかえり」
そのままの流れで入ってきた二人はソファーで寝転ぶ雅紀と夜ご飯を作ってる松潤を見つけて、言い合いをやめた。
翔くんが松潤の方に行くのを見て俺はニノに詰め寄った。
「何話してたの？」
「あぁ、さっきの。
翔ちゃんと入るの久しぶりだから〜つって弄ってたら、恥ずかしかったんでしょ。照れちゃって、可愛いったらありゃしないんだから」
まぁ随分と楽しんでいらっしゃる。
「翔くんらしい」
「でしょ？もう何回目なのよっていい加減突っ込みたくなりましたよ」
ニノは俺と話しながら翔くんと松潤のいるキッチンに入り無言で松潤から珈琲だけを受け取り、またこっちに戻ってくる。
「で？相葉さんはどうなのよ」
ソファーで寝転んでる雅紀に目をやる。
「ちゃんと話してくれると思う。翔くんも雅紀も」
「だといいんですけど」
「なに？おいらの言うこと信用出来ない？」
「まぁ、オジサンですからね。無理なんじゃないですか」
いたずらっ子みたいな微笑みは、俺や雅紀よりも年下のくせに誰よりも大人だった。
「しょーちゃん。結局、どうなんですか？」
ふらっと俺の所から翔くんの元に行く。
そんなアイツが一番場の空気を読んでくれていると、いつもそう感じさせられる。
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未翔(プロフ) - 蒼星さん» 読んで頂きありがとうございます。そう言って頂けると有難いです。出来るだけ更新したいと思いますので、これからもよろしくお願いします。 (2019年5月26日 12時) (
レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
蒼星(プロフ) - 初めまして。毎回更新を楽しみに拝読しております。わざわざ更新出来ない旨のご連絡ありがとうございます。読者は作者様から与えて頂くもので楽しませてもらっていますので多少の待ち時間は気にならないです。お気になさらずこれからも楽しみに待っています。 (2019年5月26日 11時) (レス) id: c0123debb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2019年5月19日 21時
