36 嘘をついた訳。 ページ39
side.A
あの後、結構みんなピリピリしちゃって。
大ちゃんは…あれは完全に怒ってるな。
さっきも何にも言わない松潤に痺れを切らして翔ちゃんを引っ張って部屋に帰っちゃったし。
翔ちゃんは松潤のことずっーと見てたけど、何も言わなかった。
で、顔の濃度高めのこの人は俺の顔を見てはふふっと笑う。
「雅紀は、、気付いた？」
「当たり前だろっての。でも、翔ちゃんと大ちゃんに気付かれる訳にはいかないってとこでしょ？」
我ながらよく分かったなぁとも思う。
そりゃあれが嘘だって事ぐらい分かるよ。
でも大ちゃんと翔ちゃんに気付かれないようにってのは中々難しかったな。
ニノは無駄に演技上手いし、怒ってるフリして消えるもんだから、、俺、どーすんだよって。
そんな事はさておき、
「なんであんな嘘を？」
「俺の取ってる講義の教授が教えてくれたんだけどさ、ニューヨークの研究施設で翔さんの症状を調べてるらしいんだ。それで今度、報告会があるから興味があるなら行かないかって、言われてさ」
まぁ、それじゃ行かないなんて選択肢ないわな。
「俺だってそれなら行くよ。でも何でそうならそうって言わないの？」
「馬鹿なんですか、相葉さん」
後ろから聞こえた声に振り返れば、松潤に軽く頷くニノがいた。
「その研究結果が必ずしも翔ちゃんに当てはまるとは限らない。それで翔ちゃんがまた……」
その言葉に続きはなかったが、ニノは咳払いを一つしてまた新たに言葉を紡いだ。
「潤くんだけに託すのも、いい結果を待つことも良いとは思いませんか？」
それは、ニノもこの話を知っていたということで、その上でこの二人が大ちゃんと翔ちゃんの為にとった最善のものだった。
「いつの間にそんなに偉くなっちゃったんだよー」
出来すぎた弟達に嬉しく、誇らしく思った。
「何言ってんのよ、相バカのクセに…」
いいよ、いつもだったら怒るけど今日だけは何とでも好きなように言ったらいい。
「ごめんね、松潤。ホントならそれを言うのは俺の役目なのに、言いたくないこと言わせちゃった」
「いや、俺が相葉さんにも内緒にしようって言ったんです。だから潤くんは……」
分かってるよ、ニノも松潤も。
あんな事、一度だって口にしたくなかったはずだよ。
俺の代わりに言ってくれたんだ、二人が。
「俺は二人のこと誇りに思ってるから」
俺たちの中にあの約束を忘れたヤツなんて一人も居ないよ、大ちゃん。
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未翔(プロフ) - 蒼星さん» 読んで頂きありがとうございます。そう言って頂けると有難いです。出来るだけ更新したいと思いますので、これからもよろしくお願いします。 (2019年5月26日 12時) (
レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
蒼星(プロフ) - 初めまして。毎回更新を楽しみに拝読しております。わざわざ更新出来ない旨のご連絡ありがとうございます。読者は作者様から与えて頂くもので楽しませてもらっていますので多少の待ち時間は気にならないです。お気になさらずこれからも楽しみに待っています。 (2019年5月26日 11時) (レス) id: c0123debb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2019年5月19日 21時
