4 暇潰しの時間。 ページ4
side.N
「やっぱ、早すぎたか」
潤くんと一緒に家を出たものの朝イチから授業を取っているわけでもないから、
早く着きすぎた俺は暇を持て余していた。
確か今は相葉さんも授業は入ってなかったはず。
曖昧な記憶のままスマホを取り出し、彼にメールを送る。
既読の文字は直ぐに付き、よく分からないスタンプと共に田んぼ集合で、と短文が返ってきた。
俺も適当にスタンプを返して図書館に向かう。
「お待たせ、ニノ」
「一体何時間待たせるんですか」
着いたのはついさっき何だけど、素直に待ってないよ、なんて言えなくて。
口から出るのは真反対の言葉ばかり。
それでも、ごめんと謝ってくれる相葉さんは本当に優しくて。
その優しさにいつも救われているんだ。
図書館の隣、影になっている所は俺と相葉さんがよく溜まっている場所で通称 田んぼ。
毎日、同じ家に帰るくせに暇になったら田んぼでよく喋っている。
「朝練、どうだったんですか？」
「今日は惨敗だったよ…もっと強くならなきゃいけないんだけどなぁ」
「そうですか…」
相葉さんはバスケットボール部のキャプテン。
この大学からは毎年、数少ないプロ選手を出している、いわゆる強豪校ってとこ。
まぁ、勿論キャプテンである相葉さんもその内の一人になると騒がれている。
それで最近は朝練をしているってわけ。
「今日さぁ、ニノが作るんでしょ？」
「そうですけど、」
「俺さぁ、当てよっか？ハンバーグでしょ」
絶対なんて、確信持って言ってますけど毎回ハンバーグなんて飽きるでしょうが。
「残念。違いまーす！」
「翔ちゃんも楽しみにしてると思うけど…？」
「自分が食べたいからって翔ちゃんをダシにしないでくださいよ」
こう見えても俺は料理には結構自信がある。
まぁ潤くんには勝てないけど、だからこの家の料理担当は潤くんなんだけど。
で、俺は潤くんがバイトに入っている時や忙しい時の代理のようなもの。
だからハンバーグを作る回なんて俺しかないから作っているのに、オジサンはハンバーグばっかりとか言うし。
だったら今日は違うやつを作ろーかなって。
「…意外だな」
「うるさい、相葉さんには言われたくないっつうの」
「ホントにそれでも心理学部の学生かよ」
「うるさいなぁ」
ホントにまだ言うかって。
相葉さんと話してたら結局何が話したいのか分からなくなるんだ。
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未翔(プロフ) - 蒼星さん» 読んで頂きありがとうございます。そう言って頂けると有難いです。出来るだけ更新したいと思いますので、これからもよろしくお願いします。 (2019年5月26日 12時) (
レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
蒼星(プロフ) - 初めまして。毎回更新を楽しみに拝読しております。わざわざ更新出来ない旨のご連絡ありがとうございます。読者は作者様から与えて頂くもので楽しませてもらっていますので多少の待ち時間は気にならないです。お気になさらずこれからも楽しみに待っています。 (2019年5月26日 11時) (レス) id: c0123debb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2019年5月19日 21時
