20 一番の味方に。 ページ20
side.A
「相葉、お前本気でプロになる気ないか？」
朝の練習終わり、担当コーチ呼ばれて言われたのは実業団に入りプロにならないかということ。
「有難いお話ですけど、俺は大丈夫です」
そんな事言いながら正直、なりたいと思ったこともあるし、多分今も心が揺らいでいると思う。
中学の頃からバスケをしてて、俺の取り柄はバスケぐらいなもので。
高校もスポーツ推薦だから頭はすこぶる悪い。
それでも大学はスライド式だったから無事に合格し、バスケも継続してやっている。
それなりに試合にも出させて貰い、自分のレベルにも自信が付き始めていた。
「どうして？お前の実力なら充分プロでもやっていけると思うが」
でも、プロになるということは必然的にこの家を離れることになる。
お金の面では困らないだろうが、俺が離れたくない理由はそんな事じゃない。
「とにかく、…俺はプロになる気はありませんので」
金か、待遇かと俺がプロになることを渋る理由を考えるコーチに、そう宣言して体育館を素早くあとにした。
『将来かぁーどーすっかな…』
『相葉さんはもう決まってるんでしょ？』
『プロでもなれたらなぁ〜』
『あんたがなれる訳ないだろって！』
『そういうニノは？決まってんの？』
『俺も全然、』
『だよなーー』
突然蘇ってきたのは、何も考えていない、中学生の頃の俺とニノが交わした会話だった。
まだその頃はバスケも始めたばかりで試合に出ても全く役に立っていなかった。
ニノはニノで将来も決まっていなかったし、これといってやりたい事もなかった。
だって俺もニノもその頃はまだ翔ちゃんに出会ってないからね。
翔ちゃんに出会って俺もニノもやりたい事が決まった。
過言ではなく本気で。
だから、そう簡単にプロになることを諦められないし戸惑っている自分もいる。
俺がバスケに情熱を注いでいたのは、強くなりたいと思ったのは、翔ちゃんがきっかけだったから。
『バスケ、頑張れよ。試合見に行きたいし』
『雅紀なら絶対勝てるよ！』
『俺は雅紀の事一番応援してるからさ』
試合の度に緊張で凹んでいる俺を奮い立たせてくれていたのも翔ちゃんだった。
『俺さ、雅紀がバスケしてる姿、好きなんだ。ちょーカッコイイんだよ』
いつだって俺を褒めてくれる。
だからバスケにのめり込んだ。
気付けばプロにならないかといわれるほど上手くなっていた。
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未翔(プロフ) - 蒼星さん» 読んで頂きありがとうございます。そう言って頂けると有難いです。出来るだけ更新したいと思いますので、これからもよろしくお願いします。 (2019年5月26日 12時) (
レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
蒼星(プロフ) - 初めまして。毎回更新を楽しみに拝読しております。わざわざ更新出来ない旨のご連絡ありがとうございます。読者は作者様から与えて頂くもので楽しませてもらっていますので多少の待ち時間は気にならないです。お気になさらずこれからも楽しみに待っています。 (2019年5月26日 11時) (レス) id: c0123debb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2019年5月19日 21時
