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「下手な芝居はやめろ。
もう全部分かっているんだ。
翔くん、君がスパイだよ」
大野は哀しげにかぶりを振る。
「ちょ、ちょっと待って下さい。誤解です。
俺はスパイなんかじゃありません！」
「じゃあ、なんで鍋島を殺したんだ！」
大野は突然怒声を上げる。
「俺は殺してなんかいません！三森教授に話し合いがしたいって言われて、あの部屋に誘い出されたんです。そうしたら中で鍋島が死んでいました」
「それが本当なら、なんで三森教授から連絡があった時点で俺達に教えないんだ？」
「それは……」
大野達を信用できなかったとは言えず、
櫻井は言葉に詰まる。
「それは三森教授からの連絡なんてなかったからだ。そう、三森教授が後藤田と繋がっているっていうのは、全部お前からの情報だった」
「そんな。奈美さんも見たじゃないか。カフェで鍋島と三森教授が話していたのを」
櫻井は縋りつくように奈美に言うが、奈美は
怯えた表情を浮かべ首を左右に振った。
「私が分かったのは、鍋島が初老の男の人と話していたっていうだけです。あの人が三森教授だって櫻井さんが言ったから、そうなんだろうと思っただけで……」
「そんな……」
呆然とつぶやいた櫻井は助けを求めるように
相葉、二宮、松本に視線を送る。
しかし、全員が
露骨に視線を逸らすだけだった。
「後藤田貿易の密輸に協力していた医者、それは三森教授じゃなくてお前だ。自分の腹から麻薬を取り出そうとして出血した川奈雄太は、勝本病院に助けを求めた。けれど当直中に酒を飲んでいたせいで、お前は川奈を助けることができなかった。
密輸のことがバレることを怖れたお前は、勝本病院の院長達と共謀して患者を入れ替え、川奈の遺体を後藤田貿易の男達に処理させた」
大野は激しく櫻井を糾弾する。
「違います！そんなこと……」
「黙って聞け！酒に酔っていたことが翌日出勤したナースにバレてお前は窮地に陥ったが、それ以上に深刻な問題があった。川奈が自分の腹から取り出した麻薬をどこかに隠していたことだ。それが見つからないと後藤田貿易は大変な損失を被ることになるし、下手をすれば密輸のことが明るみに出ないとも限らない。
けど、お前達は川奈がどこに隠したか探るような調査能力はなかった。どうしても麻薬を見つけることが出来なかったお前達は、あるアイデアを思いついたんだ。俺達をいいように利用しようっていうアイデアをな」
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ここここ(プロフ) - はじめまして！！！最近この作品と出会いまして、面白すぎて一気読みしました！読みながら「この人が怪しい、いやあの人も怪しいな…」と推理しながら読みましたが、まだまだ私の推理は稚拙なものでした…笑 続編も楽しみです！ (2021年11月18日 19時) (
レス) @page44 id: 6c5860f770 (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - stormさん» 読んで頂きありがとうございます。続編の方も宜しくお願いします！ (2021年11月12日 12時) (レス) id: 53c29ae25f (このIDを非表示/違反報告)
storm - どうも！とうとう完結か…とfin.の文字に寂しさを感じていた私ですが、続編という文字を見て舞い上がりましたw本当に完成度が高くて、すごくハラハラドキドキさせられる、素晴らしい作品でした。完結までお疲れさまでした！そして続編でもお世話になります！ (2021年11月9日 22時) (レス) @page43 id: 5bdda0872c (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - 彌生さん» 初めまして。読んで頂きありがとうございました。是非、続編でもドキドキを味わって頂けたらと。 (2021年11月9日 16時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - あきらさん» 初めまして。サスペンスが好きなんですね。楽しんで頂けたようで良かったです。 (2021年11月9日 16時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2021年9月24日 20時
