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「警告はさせていただきましたからね。
それでは私は捜査がありますので……」
力ない古手川の声に続いて椅子がひかれる
音が響く。
櫻井が耳を澄ましていると、風鈴がチリンと
鳴った。
古手川が出て行ったらしい。
これからどうすればいいのだろう？
体育座りをしたまま櫻井は悩む。
「もう古手川さんはいなくなったよ。
そろそろ出てきたらどうだい」
まるで朝の挨拶でもするかのように、
ごく自然に大野はつぶやいた。
櫻井は喉の奥から「ひっ」という
しゃっくりのような驚きの声を漏らすと、
おずおずと立ち上がる。
「あの、……なんで分かったんですか？」
「ん？お前が隠れていることか？
気配……ってやつかな？」
大野は天井に視線をさ迷わせると、
「行くぞ」と言う。
「行くってどこにですか？」
「地下にだよ」
大野は立てた親指でカウンターの奥にある
扉を指すと立ち上がった。
櫻井と大野は扉をくぐり、その奥にあるエレ
ベーターで地下１階へと向かった。
エレベーターで地下に降り、
短い廊下を進みバーに入った櫻井は
「えっ？」と声をあげる。
バーにはすでに人がいた。
相葉、二宮、松本、奈美。
スタッフの全員が硬い表情で櫻井に
視線を送っていた。
「あの、これは……」
櫻井は振り返って大野を見る。
「さっき俺が全員を呼んだんだ。今朝、
お前が鍋島殺害の容疑者になっているって
いう情報を松潤から聞いたからな」
大野は櫻井の肩に手を置くと
一緒にバーに入る。
大野に促され櫻井はソファーに腰掛けた。
ソファーを取り囲むようにスタッフ達が立ち
無言のまま櫻井を見下ろす。
その異様な雰囲気に
櫻井は首元が冷える感じがした。
「あ、あの……、今回のことは
本当にすみません。罠にはめられたんです。
昨日の夜に急に三森教授から連絡が……」
「いいんだ。何も言わなくていい」
しどろもどろに説明をはじめた櫻井の顔の
前に手をかざして黙らせると、大野は両脇に
立った二宮、松本に目配せをする。
二人は重々しく頷いた。
「ずっと不思議だったんだ」
大野は再び櫻井を見ると、ゆっくりと
話しはじめる。
「なぜ川奈雄太が殺されてから半年以上も
経って、急にあのサングラスの男達が藤原や
住吉美寿々を襲ったのか。しかも、はかった
ように俺達が情報を得たのと同じタイミング
で。よく考えれば答えは簡単だよな。
……スパイがいたからだ」
「えっ、スパイ⁈」
櫻井は目をしばたたかせた。
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ここここ(プロフ) - はじめまして！！！最近この作品と出会いまして、面白すぎて一気読みしました！読みながら「この人が怪しい、いやあの人も怪しいな…」と推理しながら読みましたが、まだまだ私の推理は稚拙なものでした…笑 続編も楽しみです！ (2021年11月18日 19時) (
レス) @page44 id: 6c5860f770 (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - stormさん» 読んで頂きありがとうございます。続編の方も宜しくお願いします！ (2021年11月12日 12時) (レス) id: 53c29ae25f (このIDを非表示/違反報告)
storm - どうも！とうとう完結か…とfin.の文字に寂しさを感じていた私ですが、続編という文字を見て舞い上がりましたw本当に完成度が高くて、すごくハラハラドキドキさせられる、素晴らしい作品でした。完結までお疲れさまでした！そして続編でもお世話になります！ (2021年11月9日 22時) (レス) @page43 id: 5bdda0872c (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - 彌生さん» 初めまして。読んで頂きありがとうございました。是非、続編でもドキドキを味わって頂けたらと。 (2021年11月9日 16時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - あきらさん» 初めまして。サスペンスが好きなんですね。楽しんで頂けたようで良かったです。 (2021年11月9日 16時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2021年9月24日 20時
