おまけ【続けた理由】 ページ27
「ねえ、A…なんでAは音楽を続けてるの？」
ソファに座っているAに俺はそう言った。
今、思い通りの音楽が出来ないからという理不尽な理由でイライラしていた為、あたりの強い言い方だ。
「ん、んー…まふの言葉があったから、やなあ」
「……機嫌とるために言ってるなら怒るよ」
「ちゃうよ！！ほんとなんや！」
「……俺覚えてない」
「そりゃなあ…他の事もそんな覚えとらんやんか、それに結構短い会話の中でやし…」
一応本当そうではあるけど、嘘だったら恥ずかしい。
怪しいと言う目線を送ると、Aはわかったわかった、と言うように話し始めた。
･
「……うち元は、音楽嫌いなんねん
いや、今もそんな大好きっちゅう程じゃなくてな？
なんでかっつうと、音楽続ける理由が分からんかったから、なんよ
小さい頃、自分のヴァイオリンの音がすっごい嫌でな、今のまふと同じようにイライラしとった
遊んでた方が楽しい事は分かってるのに、何故弾かなくちゃいかんのやろ、って思ってて
でも、そんな頃にヴァイオリンを家で弾いてた時に、知らずの間にまふが来てて、まふはうちの演奏をこっそり聞いてたんよ
それで弾き終わった時にまふが出てきて、うちのヴァイオリンの音が大好きだって言ってくれて
あぁ、なら音楽は、まふの為に続けよう
って」
Aはゆっくりと間をとりながら、その時を思い出してるかのように幸せそうな顔をした。
「……どうや？どうや？感動したやろ？本当の話なんやで？」
「あ、いや……音楽続けたの自分の為にじゃないの？」
ずっと音楽は、続けたい自分の為にやるものだと思っていた自分には、不思議な話だったから、そう質問した。
すると、Aはニッコリ笑って言った。
「何言ってんや！
音楽は2人以上で成り立つんやで！！
奏でる人と、聴く人！
2人で音を楽しむことで、
“音楽”が出来る！！」
☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…
「凄い！！！音がキラキラしてる！！Aの音大好きだよ！！」
「ほ、ほんと…？ほんとのほんと？」
「うん！！Aの音楽が、
宇宙一好きな音楽！！！」
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ちょこ - とてもよかったです！その後話が欲しい！ (2021年4月6日 22時) (
レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
。 - あいろさん» ありがとうございます。 (2019年9月29日 22時) (レス) id: ff02591f43 (このIDを非表示/違反報告)
。 - コッペパンさん» ありがとうございます。 (2019年9月29日 22時) (レス) id: ff02591f43 (このIDを非表示/違反報告)
。 - しろむさん» ありがとうございます。 (2019年9月29日 22時) (レス) id: ff02591f43 (このIDを非表示/違反報告)
コッペパン - 完結おめでとうございます!!! いままで読んだ小説の中で一番好きです!!!お疲れ様です!!! (2019年9月29日 22時) (レス) id: 254be5ba53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めあ | 作成日時：2019年9月19日 19時
