21話 ページ21
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「本当失礼だからな?相方無視してるの!折角心配して来てんのに」
「…帰ってくださいよ」
「はぁ?帰る訳ないだろ」
「嘲笑う為に来たなら本当嫌なので、帰ってください」
声が震る。
殴られるのは覚悟してるし、嫌われるのだって覚悟してる。
でも不安で泣きそうになってしまう。
「っち、あーもう」
「ひっ、あ」
肩をがっしり掴まれた。
嫌だ、嫌われたくないのに。
「ごめ、んなさ」
「あのな、分かってると思うけど、俺はAさんの事が恋愛的に好きだったよ」
静かに話し出すそらるさん。
「告白しようとした時、Aさんがお前の事話し始めたんだよ、好きだって事とか、幼なじみだったとか、それで無理だと思ったんだよ、
俺は
Aさんの長い年月の片想いに勝てないって」
「何言って」
「ほんっと性格悪いな!俺だってお前の背中押したくねぇし、俺がAさんの事好きなんだから言いたくねぇよ!でも!
……Aさんがお前の事凄く好きだから、邪魔出来ないんだって。
だから落ち込まなくていい、
安心して、Aさんの事好きになれ」
涙がポロポロと自分の頬を流れる。
「うぅ…ぞら゙る゙ざん゙…」
「うわあまじ泣くな!」
悔しそうに俯くそらるさんを見て、思わず泣いてしまった。
そらるさんが不幸になってしまうじゃないか。
俺のせいで、俺の我儘で。
「……そらるさん、に、申し訳ない…です…」
「……いいんだよ別に、Aさんとまふまふが幸せなら、それでいいから。
なんなら、Aさんの事笑顔にしてやれ」
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ちょこ - とてもよかったです!その後話が欲しい! (2021年4月6日 22時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
。 - あいろさん» ありがとうございます。 (2019年9月29日 22時) (レス) id: ff02591f43 (このIDを非表示/違反報告)
。 - コッペパンさん» ありがとうございます。 (2019年9月29日 22時) (レス) id: ff02591f43 (このIDを非表示/違反報告)
。 - しろむさん» ありがとうございます。 (2019年9月29日 22時) (レス) id: ff02591f43 (このIDを非表示/違反報告)
コッペパン - 完結おめでとうございます!!! いままで読んだ小説の中で一番好きです!!!お疲れ様です!!! (2019年9月29日 22時) (レス) id: 254be5ba53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めあ | 作成日時:2019年9月19日 19時