3話 ページ3
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「すみません覚えてません」
「まふお前バカやったんなあ、人の事覚えとらんなんて」
「……すみません」
ひとをばかにするのはよくないとおもう。
なんなんだこの超失礼な美女。
「うちの母ちゃんも泣くでこりゃあ、『真冬君がうちら家族のこと覚えとらんなんてなあ…』って、女泣かすなんて罪な男や」
「……へえ、へえ」
女泣かすなんてって言われても、である。
「とりあえず、えっと?なんの用なんや?」
「あ、えっと、母からAさんにおすそ分けを持っていけと言われて持ってきました」
「まふの母ちゃんかあ!顔出さなあかんなそろそろ!」
まふの母ちゃんって言い方をやめて欲しい。
「未来の嫁っす母ちゃん!!ってな!」
「……」
「無言にならんといて?」
本当に、純粋に、やめて欲しい。
お嫁さん?え?炎上不可避。
「と、に、か、く!!まふは敬語にならんといて!タメでいいやんタメで!!」
「は、はぁ…」
「……本当に、思い出せへん?」
「あ、はい」と言葉を紡ごうとしたその時。
泣きそうな顔を、不安そうな顔をしていて。
思わず口をつぐんだ。
「なあ、どうなん?覚えとらん?」
「…す、みません」
「そかあ…」
我ながら申し訳ない。
「…んじゃ!家あがんな!!ほれ!」
「はい?」
「思い出すかもしれんやろ?」
思い出させること優先なのは凄い、ある意味。
「とりあえず、案内するで!」
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ちょこ - とてもよかったです!その後話が欲しい! (2021年4月6日 22時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
。 - あいろさん» ありがとうございます。 (2019年9月29日 22時) (レス) id: ff02591f43 (このIDを非表示/違反報告)
。 - コッペパンさん» ありがとうございます。 (2019年9月29日 22時) (レス) id: ff02591f43 (このIDを非表示/違反報告)
。 - しろむさん» ありがとうございます。 (2019年9月29日 22時) (レス) id: ff02591f43 (このIDを非表示/違反報告)
コッペパン - 完結おめでとうございます!!! いままで読んだ小説の中で一番好きです!!!お疲れ様です!!! (2019年9月29日 22時) (レス) id: 254be5ba53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めあ | 作成日時:2019年9月19日 19時