生きたい私と逝きたい君。【青】

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Aside




４月の半ば、




中庭の桜は全て散り、緑の葉っぱが茂っている。




今日もころんさんは中庭に来ていて、いつも通りゲームをしている。




初めて会った日から、２週間たった今も、進展はなし。




毎日放課後にゲームをしに来る君を、マリーゴールドの隣で見つめるのが私の新しいルーティーン。




何回か目もあって、話しかけようか迷った日もあったけど....




人見知りで、ろくに外に出たこともない私にはそんなのレベルが高すぎかなぁ....




そういえば、ゆいなさんが新しい色鉛筆をプレゼントしてくれた。




今日はその色鉛筆を使って、マリーゴールドを描こうと思ってたんだ、




病室から、中庭へ行くと、今日もころんさんがいた。




きれいで長い指を巧みに動かしてゲームをしている姿はすごく楽しそう。




私も、膝の上にスケッチブックと色鉛筆を出してマリーゴールドを描き始めた。




描き終わって絵を花の横に並べてみる。




絵が下手な私でも、結構うまく描けた自信作。




うまく描けたから、ころんさんに見せてあげたいなー




なんて思ったり、




いつもならここで話しかけようか迷うはずなのに、今日は違った。




ころん 「きれいな絵だね、」




突然上から聞こえた声




話しかけてくれたのは君からだった。




ころん 「マリーゴールド？」




A 「うん、かわいいでしょ、」




ころん 「絵、上手だね、」




ニコッと爽やかな笑顔を見せられてそう言われたときは、心臓がどきどきして、体が熱かった。




ころん 「また、見に来てもいい？」




A 「うん、もちろん」




じゃあね、と手を振られて、




でも恥ずかしかった私はうなずくことしか出来なかった。

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