第143夜 ページ2
それからは、普通の学校であるような、机に座って行われる筆記の授業に入った。
魔法の知識を、聞いて、書いて、頭にインプットした。時には、話をしようとするスフィントスに構わず、書物を見ながら寝落ちたこともあった。
勿論、感覚でしかなかったAの知識も、ぐんと上がった。
魔法の仕組みを理解すると、使うのが楽しくなる。上級になると、自らで魔法式を組み立てることも出来るのだ。
それから１週間後。
魔法の実践授業に入った。魔法陣が浮かぶ床に、それぞれの定位置で並ぶ。呪文を唱えると、その魔法陣から技が発動する仕組みらしい。
青魔導士と指摘されていた、顔にソバカスのある気の弱い彼が、自身が出した魔法の出量に「うわっ！！」と驚いた声を上げた。
「どうした！？」
「いえ……急に強力な魔法が出たんです……こんなの今まで出来たことないのに……！？」
尻餅をついて、まるで自分の力に怯えているかのように話す。
曰く、体を鍛えた事で、魔法を使う時にかかる負荷を受け止められるようになったかららしい。
Aは元から演じていただけのため、丁度いいくらいの出力で魔法を出す。だが少しでも鍛えた成果は出ている。今までより、出す時の感覚がスムーズなのだ。
殆ど負担がかかっていないことが分かる。
「凄い、鍛えただけでこんな……」
思わずボソリと呟いたAに、教官は密かに自慢げな顔を向けた。
それから
「魔法の威力が基準に満たなければ即退学。では、コドル6から開始！」
その合図と共に、アラジンが杖を掲げる。
ハラハラとした様子で仲間が見守る中……
「
その呪文の直後、魔法陣からは信じられない出量の炎が巻き起こった。
見ていた全員が驚愕した。素晴らしい、と教官はアラジンにコドル1を手渡した。会場がどよめく。
コドル6から1になったのだから。
勿論、Aも楽々通過。元々抑えていただけなのでいつも通りにやるだけだった。但し、ルドア族だとバレないように。
マイヤーズ教官が、2人に駆け寄って抱き締める。号泣だ。
そんな教官の様子に、2人は思わず笑みを零した。
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（☆ω☆)�� - 少し書き間違えました／(^o^)＼ (2019年6月30日 3時) (
レス) id: 27a702e32e (このIDを非表示/違反報告)
（☆ω☆)�� - 141夜の教官が夢主のことを本当の偽名ではなく、名前で呼んでましたよ。 (2019年6月30日 3時) (レス) id: 27a702e32e (このIDを非表示/違反報告)
＊riria＊(プロフ) - ルイナさん» コメントありがとうございます！最近忙しくてなかなか更新できていませんが、今後もよろしくお願いします！ (2018年8月3日 17時) (レス) id: e74e338575 (このIDを非表示/違反報告)
ルイナ(プロフ) - とても面白いです！続き楽しみにしています！更新頑張ってください！！ (2018年7月27日 0時) (レス) id: 29bcf3ece3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊riria＊ | 作成日時：2018年5月2日 7時
