歪んだ世界

27話 ページ28

黒ラビットについてさかのぼる事数日前ー…


アヤトと付き合えて脳内お花畑だった私に


遂に探し続けた黒ラビットと遭遇


「…やっとお出ましか」


黒ラビット「俺の事探してんだって？」


"ご苦労なこった"と高いビルが立ち並ぶ路地から出てきた


「今回の駆逐対象が君なんだよね。悪いけど…」


"死んでもらうよ"ケースからクインケを取り出して


黒ラビットに向かって振り回した


私のクインケは刀だから接近戦


黒ラビットはちょこまかと全て避けた


オマケに赫子さえも出していない


黒ラビット「おいおい…そんなんで俺に勝てんのかよっ……と」


「…っうわ！！」


カランカランとクインケを叩き落とされた


黒ラビット「は、ただの雑魚だな」


"相手にする価値もねぇ"呟いて


彼は落ちたクインケを私に投げた


黒ラビット「んで？まだやんの？」


"雑魚ハトさん"愉快そうに私に言った


「やるに決まってんだろ！」


私はもう無我夢中で刀を振り続けた


だが擦り傷１つさえもつかない


「クッソ…！」


私は焦っていた。遂に出会えた黒ラビットに傷１つもつけられない事に苛立ちを覚える。


黒ラビット「……タイムアウトだ」


いつの間にか私の背後に立ち


攻撃されないようにガッシリと両腕を掴まれた


他から見れば背後から抱きつかれているように見えなくもない


「……タイムアウト？」


黒ラビット「あぁ…今日はここまでだ」


"用事があるからな"パッと私の両腕を離した


チャンスと思い急いで背後にいる黒ラビットに振り回すも


黒ラビット「そんなのあたんねぇよ」


遠く間合いを取られ空気を切っただけだった


黒ラビット「まぁ暇があったらまた付き合ってやるよ」


"じゃあな"と彼は高くそびえ立つビルを蹴って上へと消えてしまった



「黒ラビット……駆逐失敗」


クインケである"ユキ"を見つめながら


私は悔しさが募り思い切り握ってブンッと空気を切った


そんなこんなで黒ラビットは気まぐれで私の目の前に現れ


何度も何度も戦っては負け


終いには私の黒ラビット対策みたいな訓練になっていった


黒ラビット「はぁ…お前ぜってぇ俺に殺されるぞ」


と言いながら彼は私を殺そうとしなかった

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