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22話 ページ23

「ねぇ…本当にどうしたの?」


"何かあったんでしょ?"と顔を上げず


ただ彼の胸から聞こえる心臓の音を聞いていた


ドクンドクンと鼓動は早かった


アヤト「…お前はまだ…知らなくていい」


私を抱きしめる力を弱め


そっと私から離れた


アヤト「はぁ…雨とか気分上がんねぇ…」


何事もなかったようにフイッと私に背中を向け


ポリポリと頭を掻いて外の天気を伺った


「質問…いい?」


アヤト「んぁ?」


彼の背中越しに聞くと変な返答。


「どうして…キスしたの?」


思い出すだけで顔が赤くなるのがわかった


アヤト「……言ったら…お前が困んだろ」


私を見ないで、ただ外を眺めた


「困る?何が困るの?」


わけがわからなくて私は聞き返した


アヤト「本っ当…バカだな」


そういいながら振り向き


悲しい顔して彼は笑った


不覚にもドキッと胸が高鳴った


アヤト「…言わなきゃわかんねぇのか」


ふわりとまた抱きしめて


アヤト「Aが好きだ」


そっと耳元で囁いて私にまたキスを落とした


アヤト「付き合えなくてもいい…いや、付き合わない方がいい。だって俺は…」


"喰種だから"とまた彼は悲しそうに笑うのだ


「私も…私もアヤトが…アヤトの事が好き」


"だから"という前に彼が遮った


アヤト「Aは捜査官。俺は喰種。住む世界も立つ立場も違う」


"俺が人間だったらな"声は震えていた


「捜査官だから、喰種だからって何?私が捜査官だから、人間だから…そんな…理由だけで…好きになっちゃいけないの?」


ギュッと強くアヤトに顔を見られないように顔を埋めた


きっと今の私はひどく醜い顔になっているから。


アヤト「お前は…Aは俺が喰種でも…いいのか?」


「いいに決まってる。」


"アヤトじゃなきゃやだ"精一杯の甘え。


アヤト「…お前を傷つける事になる。お前を1人にするかもしれない、それでも…」


"お前は俺を選んで後悔しないか?"真っ直ぐに私を見つめた


「しない。大丈夫。1人は慣れてるから」


アヤトを見るとひどく悲しそうな、それでもどこか嬉しそうな顔を向けた


アヤト「バーカ」


コツンっと彼は屈んで私のおでこと自身のおでこをぶつけた


アヤト「これからも…よろしくなハト女」


クスリと笑った彼の笑顔は


私の心臓を大きくドクンッと鳴らした

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ぴえまる - 泣いたぁ、、、すごい神作です、もうじゃんじゃか絢都君の作品作ってください!(土下座) (2021年3月27日 21時) (レス) id: 5f8bad78b3 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - こんな神作初めて見ました!! (2018年8月6日 10時) (レス) id: a7f7363153 (このIDを非表示/違反報告)
- 最後感動して泣きました!素晴らしい、、、!こんないい作品見たことなかった!これからもいろんな作品期待してます(#>ν<#) (2017年8月20日 11時) (レス) id: b36f274895 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - 澪海さん» 閲覧、コメントありがとうございます!!!!本当、最後まで読んでいただいて感謝しかないです…もう一度アヤト君落ちで書かせていただきますのでもしよろしければそちらもよろしくお願い致します!!!! (2016年3月3日 23時) (レス) id: 5715002957 (このIDを非表示/違反報告)
澪海(プロフ) - 完結お疲れ様です!最後感動しました!良かったです! (2016年3月3日 1時) (レス) id: f7b705405a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜雪 | 作成日時:2016年1月12日 23時

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