歪んだ世界

18話 ページ19

滝澤「終わっっっったぁぁぁぁぁ！！！」


「こめんね、ありがとう助かるよ」


私が残してたデスクワーク数十枚を滝澤二等が担当し


有馬が用意した資料を私が担当していた(元々私の捜査資料だから)


「あ、なんか飲む？買ってくるね」


ガタリと椅子を立つと


滝澤「いい！俺が行く！！！！」


颯爽と私のオフィスをでて2分とかからず戻ってきた


滝澤「はい！どっちがいい？」


ズイッと差し出された二本の缶コーヒー


「じゃあ…ブラックで」


"ありがとう"と受け取ると滝澤二等が変な顔をした


滝澤「いつも微糖だよな…？」


「"いつも"はね」


"今日はブラックの気分"と缶タブをプシュッと開けると


コーヒー独特の匂いが嗅覚をくすぐった


なぜブラックを選んだのか。それはきっと彼が影響している


「てかよくいつも微糖って知ってるね」


"有馬とアキラさんしか知らないと思ってた"


ズズッとコーヒーを啜るとブラック特有の苦味が口内を潤した


少し苦くて思わず顔をしかめてしまった


滝澤「あ…その…えっと…」


急にモジモジと目線を泳がせた


「でも、知ってくれてるのは嬉しいな」


"篠原さんとか無理矢理ブラック飲ませてくるから"と彼を見ると顔は真っ赤


滝澤「その…買うとこ何回も見てたというか…偶然というか…」


はっきりしない言葉を述べ続ける滝澤二等


滝澤「凛堂准特等に聞くけ((「Aでいいよ」…わかった。…Aは好きな人って…いる？」


私の目をまっすぐに見て顔を赤らめ真剣な顔をした


「そう、だね。」


"1人いるよ"と彼に言うと肩を落とした


滝澤「あぁ…やっぱりかぁ…」


"どんな人なの？"顔に手を当てて落ち込んだかと思うとすぐに立ち直った


「んー…素直じゃなくて人をバカにする人」


滝澤「ダメじゃん！！」


「いや、素直になれないだけで実は優しくて思いやりがあって安心して…」


ふっと彼を思い出して心が暖かくなった


「"会いたい"って思える人」


会いたい、彼に。

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