【ゴールデンカムイ】兵器な彼女2【尾形百之助】 (ページ8)

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58話。ページ8

Aside

彼の大きな目のふちに溜まってる涙を、親指で拭いとる。私に抱きついたまますやすやと眠る彼は、本当に猫のようでとても可愛かった。

『ふふ...かわいい』

それにしても、この状態でラッコ鍋の匂いをかぐのは少し辛い...。ていうか、暑い...。涼みたい。

『起きるまで我慢しなきゃ...』

すぐ起こしてしまうのは可哀想だと思ったので、彼が起きるのを待つことにする。けれど小屋の中はむわむわと空気が溜まっていって、暑くて仕方なかった。

尾形上等兵、いつもはとても男らしくてかっこいいけど、寝てる時とか無防備になってかわいい。それを私だけに見せてくれるところも好き...。

『はぁ.........私ってきっと、世界一の幸せ者だ』

そう呟くと、閉めていた扉が少し開いて、杉元さんが顔を覗かせていた。

｢ほんとに尾形が好きなんだね｣

杉元さんは小屋の換気をしながら、部屋の空気の淀み具合に苦笑いした。

｢ああ...Aちゃんたちもラッコ鍋食べたんだぁ...｣

『あ、え、いやでもしてないです、してないですから』

｢ううん、そ〜お？...そうだ、バッタも収まったしそろそろ戻ろう？みんな2人がいないって心配してたよ。オラ起きろ尾形。俺らの前ではそんな無防備じゃないくせに、かわいこぶってんのか？｣

｢ん.....ん〜〜.......。なんだ杉元か。なんでここにいんだよ｣

｢お前のことを探しに来たんだよ！感謝しろよ！｣

なんだかんだ言って、この2人仲良しじゃない。少し安心した...けど、尾形上等兵とこんな風に話したことがないから、ちょっとだけ、ちょっとだけ杉元さんに嫉妬する。

『も、もう2人で話さないでください！.....尾形上等兵のこと1番好きなのは私ですからっ...！』

｢えっ、ち、違うよAちゃん！俺はこんなクソ尾形なんか好きじゃないってば！｣

｢はぁ〜.....お前可愛いなあほんとに...羨ましくなったのか、ん？｣

『...もういい、いっつもそうやってからかう』

｢悪かったって｣