「世に言う勉強ってやつ」 ページ12
「へぇ〜文字式って便利〜」
「うっわ日本ってこんな事してきたの？バカなの？」
「発生キッショ！」
「……流石に無理でしょーこの他言語はさぁ」
保護という名目の下の監視生活2日目。早朝にショータが出動要請が来たとかで出てって、早くも僕1人という神展開。……が、何せ昨日で僕のアビリティが露呈した訳よ。無くても死にはしないとは思ってるけどね、あって損をするとは思ってない。もしかしたら知識があればイタズラ含め僕の行動範囲も広くなるかもしれないでしょ？
という事で、ショータが置いてった金を全部使って本屋に行ってきた。何気人生初で笑ったよね。
「まさか僕が勉強するとはね〜人生何があるか分かったもんじゃないな」
本棚には学年別で置いてあったけど、そんなの気にしないで興味があったやつを買ってきた。やっぱ日本語極めてて正解だったよねー、だって書いてある意味は汲み取れるんだし。小中高バラバラに読んでても、何となく繋がってんなーとは理解出来る。
宝の持ち腐れってやつ？この要領の良さにはもっと早くに気付くべきだったね、今までやってきた事が少し勿体なく感じる。
ん〜……施設での勉強はマジクソだと思ってたんだけどな〜……あぁそういう事か、他人から与えられた知識が気に食わなかったのかぁ……なるほどね〜。
とか色々考えながら続けていると、気付けば窓の外から西日が差し込んできていた。いや朝昼の食事忘れるとかヤバすぎるでしょ。
どうやら人体というのは、極度の集中状態になると空腹すら忘れるらしい。今になって思い出して腹がうるさい。
その時、ドアが開く音がした。扉を見つめていると、案の定くたびれたショータが入ってきた。そして、僕とテーブルを交互に見ては目を見開く。
「……何してたんだお前」
「世に言う勉強ってやつ。いや〜案外面白いもんだねぇ。あ、でも他言語は無理っぽいな」
「飯は」
「忘れてた」
「ウソだろ……」
「置いてったお金は全部本になったよ」
色んな感情が混ざったような顔で、ショータは天井を仰いだ。
「学校で勉強する気は無いか」→←「急に先生みたいな事を言い出すね」
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作者名：すみた先生 | 作成日時：2022年8月17日 12時
