【黒バス】悪童の妹【悪女主】

遊び３５ ページ39

体育館に着くと
ちょうど休憩が始まっていた


「ドリンクとタオルでーす！」


桃井が明るく笑顔で声をかける
選手たちは待ってましたと言わんばかりに寄って来る


Aたちはドリンクとタオルを
選手たちに配る


「花宮っち、俺にもちょーだい」


Aの元に黄瀬がやってくる
その他にもミーハーお目当のキセキが来る


しかし向かう先はAや桃井ではなく
亜樹音である


愛される少女は笑顔で振る舞う


人に猫被りするなみたいな事言った癖して
自分だって猫を被っている


まぁ、人間ってそんなものでしょ


「はい黄瀬君、お疲れ様」


黄瀬はすっかりAに懐いている


こいつは使える
ま、どっちにしろ全員私に落ちるんだけど


「Aが来てくれたおかげで
仕事がスムーズに進むようになったんだ！」


亜樹音が嬉しそうに言う
敵をそんなに褒めて良いの？
どうせそれも…


本当にそう思ってるの？


長い間猫を被っていたからわかる
これが嘘の顔じゃないって事


何考えてるのかしら
気が狂う


「花宮っち？どうしたの、ボーッとして」

「えっ、あ、何でもないよ！」


いけない、私としたことが
こんな事で焦ってちゃいけない


あの顔だってどうせ嘘
人は信じられない


だからこそ、私は人を信じさせる
そこから落としてあげる


最低なのはわかってる


けど、そうしないと生きていけない
偽らなきゃ


愛してくれるのは、兄だけ
そんなの嫌なの


私は、きっと誰よりも愛され願望が強い
亜樹音ちゃんよりずっと


…何考えてるんだろ
今の私に不安なんていらないのに


今は亜樹音ちゃんを潰す事に集中する


亜樹音ちゃんを潰せば
自然と私は愛される


大丈夫…だから


「A大丈夫？顔色悪いよ」


桃井が心配そうに声をかける


「だ、大丈夫だよ！」


その場にいた人間たちはAを心配する


赤司だけは
じっとAを見つめていた

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