エタニティアイロニー (ページ2)

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２話ページ2

8月３日午前５時

「クロハさん、ぼーっとしちゃってどうしたんすか？」
セトはリビングのイスに腰掛けながら聞く
セトは今日も早起きだな
俺「あ～...そう見えるか？」

セ「はい...いつもそうっすけど、今日は特に...」

カノ「あっれもしかしてクロハ君、好きな人でも出来ちゃった！？」
カノが茶化しに乱入する

キド「やめてやれ、そのへんはデリケートな問題なんだから」
キドは朝飯の支度をしに起きてきた
マリー「好きな人といえば、カノ...キドのこ...むぐ！」
カノ「...マリー？(汗)」
マリー「むぅ」
全員集合だ
マリーは俺の妹でキドカノセトは幼馴染みだ
俺「...名前...聞けば良かったな」

なんて

昨日は久々の酒で酔いが回っていた
正直記憶も曖昧だが、その時見た夢が目に焼き付いて離れない

なんてことない、ただの夢だ。

ただの夢に、ここまで心が動かされる

マリー「ねぇねぇ！おにぃちゃん、キドがお料理作ってくれてる間に一緒に編み物しよー！」
俺「ああ」

頭はなかなかキレる方だが、細かい作業となると自信がない

マリー「ここはこうやって」
俺「ほぅ」
時折こうやってやり方を教わってる

マリーと俺は実の兄妹かと言われるとそこらへん怪しいが、まぁ同じ主人から産まれたという事で良しとしよう
本当は双子の弟も居るんだが、まだ面識はない
何もアザミ様とネギマの取り合いでケンカしてそのまま家を出てったっきり...まあ色々あるのだ

俺「出来たぞ」
そんなこんな言っているうちに黄色のマフラーが完成した
マリー「さすがおにぃちゃん上手！ふふっ」
俺「？おう、ありがとな」
マリーﾎﾞｿｯ「これ、おにぃちゃんに！好きな子とお揃いで着けてね♪」
俺「っ...！？...良いこと考えるな！流石俺の妹だ、さんきゅ」
困った、流石に夢の中の人物に渡すなんてことは出来ない
取り敢えずマリーから黒と紫のグラデーションになっているマフラーを受け取った
まぁ、無いと思うがいつか現実でも好きな人とやらが出来た時に使わせてもらおう

そんなことを考えながら部屋のクローゼットに綺麗に編まれた二枚のマフラーを丁寧にしまうのだった

キド「ご飯出来たぞー！！」
俺「おー...今行く」