狂犬、ではなく仔犬【今日から俺は】

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私はあいつの入院してる病院に入り見舞いに行く



A｢具合どうだ｣



｢あ、Aさん…
だいぶ、良くなりました｣



顔のアザはまだ消えてないものの、赤みは引いていた



A｢良かったな
痕になんなくて｣



｢はい…
でも…｣



A｢…つらい、よな…｣



無理やり抱かれたこいつの胸の内を思うと、苦しかった



A｢…私の近所に住んでた優しいお姉さんがね、あんたと同じような被害にあったことがあるんだ
でも、その人は結婚して子供もできて楽しそうに暮らしてた
まぁ、病気で亡くなっちまったけどさ…

あんたは、きっとこれから、彼氏作って、結婚して、子供に囲まれてそのまま老いていく
人生これからなんだ、きっと大丈夫だよ｣



｢そう、ですか…？｣



A｢うん
私が嘘ついたことあるかい？｣



｢…ないです｣



A｢だろ？
だから大丈夫だ｣



｢あり、がと、ございます…！｣



その子は泣きながら頭を下げた



A｢泣くんじゃないよ｣



私は優しく頭を撫でてやる



A｢そうそう、その開久の奴らだけどさ
ボッコボコにして病院送りにしてやったよ
顔面変形しまくってるらしいけどさ｣



｢え！？｣



涙が引っ込んだのか、そいつは顔を上げた



A｢仲間傷つけられて黙っとけないよ
彼氏がいる学校の生徒だからって、手を出さないほどお人好しじゃ無いんでね｣



｢Aさん…、あたしのために…！｣



A｢まぁ、あんなボンクラの集まりだけど、良い奴もいるんだよ
たまにあーゆうのがいるだけでさ
特に、私の彼氏は世界一優しい！｣



｢それ、いつも聞いてます｣



A｢いつでも言える話だよ！｣



そいつは笑った



大口をあけて



よかった、笑顔になれて



私は、大口をあけて笑うそいつを見て微笑んだ

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