JUMP's TREE

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裕翔side

涼さんがそんな秘密を抱えていたなんて、全然わから
なかった。

宏太＞仕事を辞めてからは俺の家で一緒に住み始めた
んだけど、一日ぼーっとしてるか、泣いてるかでさ。
なんとかその状態から抜け出すために、涼介はカウン
セリングを受けるようになったんだ。

裕翔＞…もしかして、それが大貴さん？

宏太＞そう。何度か回を重ねるうちに環境を変えれば
落ち着くかもしれないって言われてね。涼介が穏やか
に暮らせる場所を探してた時にここを見つけて、二人
で暮らし始めたんだ。

裕翔＞なるほど。でも、どうしてここがシェアハウス
になったんですか？

宏太＞引っ越してからしばらくして、涼介のほうから
ここに二人は寂しいから、シェアハウスにしたいって
言ってきてくれてね。

裕翔＞涼さんからの提案だったんですね。

宏太＞うん。最初は大ちゃんと三人だったんだけど、SNSを始めるとだんだん人が増えていって、今に至る
って感じかな。

裕翔＞そういうことだったんですね。

宏太＞うん。シェアハウスを始めて涼介も笑うことが
増えてきたし、始めてよかったと思ってる。まだ完全
には克服できてないから、さっきみたいにパニックを
起こしちゃうこともあるけどね。

裕翔＞でも、近くに頼れる人がいると安心ですよね。

ガチャッ…

宏太＞お、大ちゃん。

大貴＞今、ようやく落ち着いたよ。

宏太＞よかった。戻ろうか。

裕翔＞はい。

宏太＞ちょっと長く話しすぎちゃったね。

裕翔＞いえいえ、そんなことないです。色々知ること
ができてよかったです。

ダイニングに戻って、俺は夜ご飯を食べながら、三人
はホットミルクを飲みながら一緒にひと時を過ごした。

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