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千切姉「次もどこか行くの？」
『いえ、流石に一度家に帰ろうかと』
千切姉「え、そうなの？」
『家事が溜まっちゃってるので……』
千切姉「あら」
今思えば３日連続で他所の家にハシゴして泊まらせてもらうなんてこと初めてだ。
しかもどのご家庭もあたたかくて、やさしい。
——————もしかしたら、私の本当の家族も……
千切姉「ねね、Aちゃん」
『はい』
千切姉「私のこと、お姉ちゃんって呼んでみて」
『……お、おねえちゃん？』
千切姉「いい！いいんだけど、もう少し自然に……」
『オネエチャン』
千切姉「表情が少し固いわね……」
お姉さんはAのほっぺをつまみ、ほぐすように優しく揉む。
『あ、あの、なにかありましたか』
千切姉「いや〜、私の気まぐれなんだけど……
“おねえちゃん”って、Aちゃんに呼ばれてみたいなーって思って」
『豹馬くんは……』
千切姉「豹馬は私のこと“姉ちゃん”って呼んでる」
いいのかな、なんて。
気まぐれで呼ぶにはいいかもしれないが、どこか狼狽えてしまう自分がいる。
潔家や蜂楽家の親御さんも、気軽に「おとうさん」、「おかあさん」と呼んでいいと言ってくれる。
私は本当の家族のことすら、わからないのに……
千切姉「もぉ〜悲しそうな顔しないで」
ふわっと、抱きしめられた。
千切姉「豹馬から聞いてたけど、Aちゃん悲しそうな顔をふとした瞬間にするのね」
『……ごめん、なさい』
千切姉「謝らないで。あなたはなにも悪くない」
とてもしっかりしていて、大人と見間違えちゃうくらいに立派な女性。
あなたと出会った時に感じた、第一印象。
でも、昨日の試着室にいた時に聞こえてきた家族の話。
どこか引っかかるような感じがしたけれど、悲しそうな声を普段の感情で覆い隠して話すあなた。
千切姉「私はもちろん、あなたのことをよく知らない。
でも、あなたの心の拠り所になることはできる」
辛くても、怖くても、めげないで。
どこまでも真っ直ぐに貫くあなたは素敵。
でも、心が壊れそうな時には必ず逃げ出して。
逃げることは、あなた自身を守るための立派な手段。
千切姉「また帰っておいで。
今度はウチの家族みんなであなたを迎えるわ」
『ありがとうございます……』
たくさんのやさしさが、Aちゃんの心を癒してくれますように
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ネムノキ(プロフ) - LiLiさん» コメントありがとうございます！長らくお待たせしてしまいましたが、本編を更新いたしましたのでぜひ！番外編もよろしくお願いします♪ (4月21日 22時) (
レス) id: 2f94861ab5 (このIDを非表示/違反報告)
LiLi(プロフ) - ネムノキさん» 青い檻のバーサーク6の方も楽しみにしてます!!めっちゃ面白いんで頑張ってください!! (4月1日 21時) (レス) id: de7dec8312 (このIDを非表示/違反報告)
ネムノキ(プロフ) - コメント欄にて失礼します！長らく続きを出せず、申し訳ありませんでした！近いうちに氷織＆烏編を一気に出すのでお楽しみにしていてくださいm(__)m (3月26日 23時) (レス) id: 2f94861ab5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ネムノキ | 作成日時：2024年2月8日 0時
